岡山県議会 > 2022-12-14 >
12月14日-07号

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  1. 岡山県議会 2022-12-14
    12月14日-07号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-10
    令和 4年11月定例会          ◎ 令和4年11月岡山県議会定例会会議録  第7号〇 令和4年12月14日(水曜日)                  議  事  日  程                  午前10時開議第1 一般質問第2 議第84号~議第96号及び議第98号~議第112号(委員会付託)第3 請願陳情委員会付託      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 一般質問日程第2 議第84号~議第96号及び議第98号~議第112号(委員会付託)日程第3 請願陳情委員会付託      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時開議 ○副議長(太田正孝君)  皆さん、おはようございます。 これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 一般質問 ○副議長(太田正孝君)  日程に入り、一般質問を行います。 5番本山紘司君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 5番 本山紘司君 登壇 〕 ◆5番(本山紘司君)  皆様、おはようございます。 5番自由民主党の本山紘司です。 一般質問最終日トップバッターで露払いをさせていただきます。 さて、尾を引く新型コロナウイルス感染症に加えて、季節性インフルエンザの発症も始まっているようでございますが、世間はウイズコロナで一定程度落ち着きを見せているようにも見受けられます。先月末、厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけの見直しに向け検討を始めると報道があり、県民生活の正常化が期待されます。コロナ後の社会経済活動の再構築と活性化を見据えて、知事はじめ関係部局のお考えをお尋ねします。 自転車の活用による環境負荷の低減や国民の健康増進を図ることなどを目的とした自転車活用推進法に基づき、本県では、今年1月に、「第2次岡山県自転車活用推進計画」が策定されています。この計画にもあるように、自転車は環境に優しい交通手段であるとともに、サイクリングを通じた余暇の充実はもとより、県内外の地域との触れ合いや仲間とのつながりを醸成するコミュニケーションツールでもあります。さらに、長引く新型コロナウイルス感染症が生み出した社会の変化が、自転車の在り方にも影響を及ぼしています。 例えば、今議会では、代表質問に始まり、多くの議員が自転車の交通ルールの徹底や広報・啓発の在り方を問われました。警視庁が自転車の取締りを強化していることが報道等で取上げられ、交通ルールとマナーの徹底が注目を浴びる昨今でございます。密になりやすい電車やバスから、人との接触を低減する移動手段として自転車のニーズが高まったというライフスタイルの変化が大きく関係しています。自転車をめぐってそれほどまでに、今、その存在やその価値が見直されていると言えます。 少しだけ私の身の上話をさせていただきたいと思います。 過去、大学生時代に私、寝袋を積んだ自転車をこぎまして、単身で沖縄県を除く都道府県を回った経験があります。様々なエピソードや修験道のような行程から学んだことも多数あります。25分では話し切れませんし、ここはそのような場ではないので割愛しますが、自身の経験を振り返り、現在の我が国や本県の状況に照らし合わせると、自転車が現代社会や経済活動に与える影響が見えてきます。個々の余暇活動としても大きな楽しみのある自転車ですが、特に環境負荷低減や健康増進、観光振興など、行政的な観点から、本県における自転車をめぐる展望について、知事の御所見をお伺いします。 隣県広島県と愛媛県を結ぶ瀬戸内しまなみ海道は、島々をつなぐ橋の上も含めて自転車で瀬戸内海を渡ることができる道です。世界的にも有名な台湾の自転車メーカーであるGIANT社会長キング・リューこと劉金標氏が、愛媛県の中村時広知事とともに走破されたことで、しまなみ海道は世界に向けて発信され、今やサイクリストの聖地とまで呼ばれるようになっています。 しまなみ海道の北側入り口である広島県の湯崎英彦知事も、自転車愛好家であるそうですが、本年4月、中村知事とともに国連の世界自転車デー特別表彰を受賞されました。しまなみ海道でのサイクリング推進の取組が評価されたとのことです。 ところで、鳥取県も知る人ぞ知る、県として自転車利用を推進している自治体の一つです。鳥取県では、本年4月1日の機構改革で、サイクルツーリズム振興室という「サイクル」の名を冠した組織が新設されたそうで、平井伸治知事の力の入れ具合が見てとれます。中国地方最高峰の大山を一周するという大変苛酷なイベント、「ツール・ド・大山」が開催されるなど、地元の商工会関係者や住民の協力の下、特に西部地域はサイクルツーリズムに力を入れているそうです。東部地域でも、砂丘、日本海、中国山地の景観とともに、地元グルメを楽しめるファンライドイベント「鳥取すごい!ライド」が開催されています。視察、研究を兼ね、地元の友人たちとともにミドルコース55キロを走ってまいりました。私どもの地元に隣接する中部地域選出鳥取県議会議員からも、「今後、さらにサイクルツーリズムに力を入れていきたい」との意向を聞いております。 さて、伊原木知事におかれましては、さきの「おかやまマラソン」でフルマラソンを完走されたり、我が町鏡野町でも開催されたモンベル社の「SEA TO SUMMIT」には、初回の2017年にお越しいただき、山崎鏡野町長とチームを組んで、カヤック、バイク、ハイクに参加していただくなど、「スポーツ立県おかやま」を自ら具現化なさっておられます。 さらに、中国地方知事会には、平成29年6月に、サイクリング部会が設置され、「中国四国地方を国内外から何度も走りに行きたくなる魅力的なサイクリングエリアにする」という目的を、中四国の知事で共有しているとも聞いております。しまなみ海道から大山を経て日本海へとつながるルートを、走破する大会が構想されたこともあるそうです。 そこで、お尋ねします。 中国地方知事会サイクリング部会における岡山県の存在感や影響力は、どのようなものでしょうか。また、本県と鳥取県を南北に通じたサイクリングルートの設定、サイクリングイベントの共催など、「とっとり・おかやまサイクルツーリズム(仮称)」の実現可能性について、知事の御所見を併せてお尋ねします。 さて、本県のサイクルツーリズム振興については、産業労働部と土木部が共管する「ハレいろ・サイクリングOKAYAMAプロジェクト」があります。当プロジェクトのホームページには、蒜山高原自転車道ルート岡山鏡野縦断ルートなど、県が推奨する8つのルートと、ビカリア発掘体験ルート津山城久米山ルートなど、市町村が推奨する37のサブルートが公開されています。せっかくの岡山県の事業です。備中国分寺や造山古墳など、吉備の歴史を感じながらゆっくりと走行できる「吉備路自転車道ルート」をサイクリングしてみました。また、地元鏡野町が推奨するサブルート越畑奥津ルートなども走ってみて、見えてきた課題などをお尋ねします。 さて、吉備路自転車道ルートは、岡山駅西口から総社駅までの総距離25キロメートル、最大標高差26メートルの初心者向けのコースです。岡山市内の都市部から、吉備津神社から備中国分寺までのエリアに入ると水田地帯に変わり、私が走った秋口には、稲穂も色づき、黄金色の水田に囲まれて大変心地よく走ることができました。ただ、幾つか不便さを感じた点があります。 1つには、学校の通学路と重なっている場所では、通学時間に重なると、道幅いっぱいに児童や生徒さんらがあふれて通りにくかった。2つには、水田地帯に入ると農道と重なっているからか、舗装路の上に土塊、土くれが放置されていた場所がありました。3つには、道の左右から雑草が茂って、対向車と擦れ違いにくかったなどといったものです。これらは、私が一ライダーとして感じたことの例示ですが、こういったルート上の問題点の点検や改善などは、どういった頻度で、どういった方が主体となって行っているのでしょうか、土木部長にお尋ねします。 先ほど触れましたサイクリングルートにおいても、ピクトグラムなどの整理がなされておりましたが、交差点などでルートを示す方向表示がないため、道を間違えることもありました。土地カンがなかったり、走り慣れていない方などが快適にサイクリングするためには、路面標示が果たす役割は大きいものです。岡山市内には、整備された自転車道や自転車レーンが各所にあり、視認性も高く、歩行者、自転車、自動車三者の分離も進んでいるようです。本県推奨のサイクリングルートについて、さらなる標示の増補や自転車レーンの追加など、今後の整備方針について、土木部長にお尋ねします。 瀬戸内海の島々を舞台とした瀬戸内国際芸術祭が好評を博しています。これに続けと、令和6年秋には、県北部を中心とする地域で、アートを切り口に観光振興を図る「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の開催が予定され、私たち県北の住民や芸術に携わる方々の期待が大いに高まっています。さっきの問いで、「とっとり・おかやまサイクルツーリズム(仮称)」について、知事にお尋ねしました。全員がそうだとまでは申しませんけれども、私たち自転車乗りにとって、走りやすい県南部の平野部でのサイクリングも楽しいものではありますが、県北部の山道のアップダウン、急峻な坂道、俗に言います「激坂」などは、何よりのごちそうです。県南部、岡山市を中心としたランナーの祭典「おかやまマラソン」に比して、中国山地を東西に横断するサイクリングイベントのような県北部でのスポーツツーリズム実現可能性について、産業労働部長にお尋ねします。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由由民主党の本山議員の質問にお答えいたします。 自転車等による観光振興についての御質問であります。 まず、自転車をめぐる展望についてでありますが、お話のとおり、自転車には環境負荷の低減、健康増進、観光振興などに大きな可能性があると考えており、昨今の社会情勢の変化等を踏まえ、自転車の活用を一層図るため、「第2次岡山県自転車活用推進計画」を策定したところであります。今後とも、この計画に基づく施策の推進により、自転車交通の役割拡大による良好な都市環境の形成、サイクルスポーツの振興等による活力ある健康長寿社会の実現、サイクルツーリズムの推進による観光立県の実現等を目指してまいりたいと存じます。 次に、中国地方知事会サイクリング部会等についてでありますが、中国5県共同でのサイクリングマップの作成やイベントの開催などを通じて、本県としても魅力的なサイクリングエリアとなるよう、積極的に取り組んでいるところであります。私自身、平成30年(2018年)に、尾道市で開催された中四国サミットの機会を捉え、「サイクリングしまなみ」にお膝元の広島県・湯崎知事、愛媛県・中村知事以外では唯一参加するなど、サイクリングに熱心な知事の一人と自負しております。また、お話の「とっとり・おかやまサイクルツーリズム」につきましては、コロナ禍前に、鳥取・岡山広域観光協議会において、両県をまたぐ広域ルートPRのため、スタンプラリーの実施を計画していたところであり、今後とも、両県が連携して、効果的な誘客につながるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  土木部長筋野晃司君。   〔 土木部長 筋野晃司君 登壇 〕 ◎土木部長(筋野晃司君)  お答えいたします。 まず、サイクリングルートのうち、点検の頻度等についてでありますが、サイクリングルートは、国道や県道、市道等の既存の道路を有効活用して選定したものであり、点検等については、各道路管理者が行っております。県管理道路については、週1回以上の道路パトロールにより点検を実施しており、交通に支障を及ぼすおそれがある場合には、適宜対応しているところであります。 次に、今後の整備方針についてでありますが、サイクリングルートについては、既存の道路を有効に活用するとともに、安全に走行できるよう、交通量や利用状況など、地域の実情を踏まえて選定しており、これまで、分かりやすくルートを示す路面標示や看板の設置などに取り組んできたところであります。このため、自転車レーンの整備までは考えておりませんが、路面標示の追加等について利用者からの要望等を踏まえ、必要性を検討するなど、引き続き、利便性や安全性の確保に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  産業労働部長三浦智美君。   〔 産業労働部長 三浦智美君 登壇 〕 ◎産業労働部長(三浦智美君)  お答えいたします。 県北部でのスポーツツーリズムについてでありますが、県北部は豊かな自然や開放的なロケーションなど、スポーツ体験に適した観光資源に恵まれており、岡山デスティネーションキャンペーンでは、美作アルプストレッキングガイドツアーや奥津湖サップ体験、蒜山高原でのサイクリングなど、初心者から上級者まで多くの観光客に体験型スポーツを通じた様々なコンテンツを楽しんでいただいたところであります。また、誘客促進と地域のにぎわいづくりを目的に、サイクリング推奨8ルートを活用したデジタルスタンプラリーを実施しているところであり、お話の中国山地を東西に横断するサイクリングイベントの開催までは考えておりませんが、引き続き、市町村等と連携しながら、スポーツを活用した体験型観光の充実に向け積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  5番。   〔 5番 本山紘司君 登壇 〕 ◆5番(本山紘司君)  知事、御答弁ありがとうございました。 ぜひ知事を先頭に自転車を通じた観光振興を図っていただきたいと思います。県境をまたぐツーリズム、スタンプラリー等の例示をしていただきましたけれども、岡山県側から鳥取県に行って、鳥取側から岡山に帰る、どちらだったとしても、出発点と到着点をどう結ぶかが課題なんです。「おかやまマラソン」では、スタートしたところからスタートしたところに戻りますからいいですけれど、縦断ルートのようなものというのは、行ったらそこに行って帰ってこなければいけない。これが1つ課題でありますけれども、逆に言えば、それが観光事業提供の切り口にも成り得ます。 例えば、岡山から出発して鳥取に「ひいひい」と言ってたどり着いて、そこで泊まって、お食事を楽しんでいただいて、翌日には帰ってくるというようなものを、特にスタンプラリーのようなもので、その景品の一つとして何かしらインセンティブを与えるというような、新しい観光ニーズの掘り起こしが、この自転車という人間の力を使って行う観光については、可能性があると思いますけれども、知事にそのアクティビティーの可能性について再度お尋ねします。 ○副議長(太田正孝君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  アクティビティーの可能性についてということでございます。 サイクリングもマラソンも似たようなところがあろうかと思いますけれども。そういったアクティビティーに参加すると、ふだんよりも、いろいろなニーズやお困り事が出てきます。すごい筋肉痛で、普通だったらさっと帰れるところが、とても帰れなかったりだとか、荷物をどうするんだ、着替えをどうするんだ、ふだんにどかっと汗をかいたりですとか、雨が降ったら普通傘を差せばいいだけですけれども、そういうイベントをしているときには、また、いろいろなものがずぶぬれになるだとか、そういう参加者にとってのお困り事だとか、ニーズというのが、全てビジネスチャンスであったり、もしくはさっと終わってさっと帰るのではなくて、例えば1泊余分に泊まっていただく可能性につながるのだと思っています。その際に、てきぱきそのニーズに応えるという、もたもたして印象を悪くするというのではなくて、ちゃんとやるというのは大事なんですけれども、その機会に、「あっいやいやあんまり味に期待してたわけじゃないけれども、こんなにおいしかったのか」とか、「こんな景色がよかったのか」とか、そのチャンスをうまく生かして、「来てよかったな、また、来たいな、今度は逆向きでやってみたいな」とか、これはもう観光振興もそうですけれども。まず、何らか1回お試しをしていただいて、その1回のチャンスで評判を上げて、次に広げていく。今度は、家族で来てみようかとか、それは非常に大事な視点であろうと思います。まず、お困り事をきちんと満たすというところから、イベントを活用した観光振興を考えていきたいと思います。 ○副議長(太田正孝君)  5番。   〔 5番 本山紘司君 登壇 〕 ◆5番(本山紘司君)  知事御答弁ありがとうございました。 当たり前ですけれども、団体型の観光、ツアーを組んで、皆さんで一斉にバスで連ねてやってきて、どっとつかって、どっと帰っていくというような観光、もちろんないとは言いませんけれども、今の時代になかなかマッチングしてないようなことでありまして、着地型の観光とか、新しいものがどんどん発生しているような状態でありますので、そういうものとのマッチングもいい、この自転車をぜひ観光ツーリズムの、観光の一ツールとして使っていただきたいというふうに思います。 産業労働部長にお尋ねしますけれども、これはある意味知事かもしれないのですが、「おかやまマラソン」であるとか、令和6年に予定されております「全国植樹祭」、それから令和7年に予定されております「国民スポーツ冬季大会」など、本県を代表するその大きなイベント、ビッグイベントの多くが、県南部が開催場所になっています。各分野全てにおいて、県南で行うものを県北でも同じようにしてくださいとまでは、もちろん申し上げませんけれども。ぜひスポーツ分野においても、県北の環境や資源を生かした大会を開催してもらいたいものです。 先ほど申しました横断するようなサイクリングイベント、考えてはおられないということですので、じゃあ考えを変えてくださいとまでは申し上げませんけれども。例えば、山道をマラソンで42.195キロ走るなんてことは、これはもうほとんど不可能です、山ですから。ところが、一番有名なツール・ド・フランスという自転車の世界的イベントでは、ピレネー山脈ツールマレー峠というところまで、海抜ゼロから2,115メートルまで一気に駆け上がるんです。そんなことを自転車でやったりします。ジロ・デ・イタリアは、アルプス山脈を自転車で駆け巡りますし、ブエルタ・ア・エスパーニャでは、コースの大半が山岳路であるなど、山と自転車は非常に相性がいいのです。こういうことを繰り返し申し上げますけれども、今後の、さっきの横断に限らずですが、広域的なイベントの可能性について、こういう山岳というものを観点に検討していただきたいのですけれども、再度お尋ねします。 ○副議長(太田正孝君)  産業労働部長。   〔 産業労働部長 三浦智美君 登壇 〕 ◎産業労働部長(三浦智美君)  再質問にお答えいたします。 スポーツ分野でも、大きな大会、特に山岳を活用したような自転車との相性がいいということで、そういったものはいかがかというお話でございます。 御質問にもありましたけれども、鏡野町が「SEA TO SUMMIT」ということで、カヌー、自転車、山登りという、モンベルと連携したスポーツイベントをされておりますし、新庄村でもトレッキング、山道をずっと走りながら上って、70キロぐらいの道を行くというようなイベントもされておられます。そういったイベントを研究させていただきながら、どういったことが、今後、できるかということも研究させていただけたらと思っております。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 5番。   〔 5番 本山紘司君 登壇 〕
    ◆5番(本山紘司君)  ユーチューブの岡山県警察公式チャンネルに、「ダサいより安心を!」という題名の動画が、本年5月から公表されています。中高生くらいの若者が、おもむろにレタス2玉を教壇に置いて、片方はそのまま、片方にはヘルメットをかぶせて、プラスチックハンマーで同時にたたく。そうすると、ヘルメットのないレタスは潰れ、ヘルメットをかぶせられたレタスは原形をとどめて、動画上、程なくして「ヘルメットの力を疑うな!」と画面いっぱいにテロップが表示されます。 さて、2022年4月27日に、全ての自転車利用者に対する乗車用ヘルメット着用の努力義務化を内容とする道路交通法の一部を改正する法律が公布され、1年以内に施行されることとなりました。自動二輪車や原動機付自転車乗車中のヘルメット着用義務などと異なり、特段の罰則のない努力義務ですが、着用率向上のための方策について、警察本部長にお尋ねします。 また、特に、中学生から高校生にかけて段階的にヘルメットを着用しなくなる傾向にあるように見受けられます。 鳥取県教育委員会では、「鳥取県支え愛交通安全条例」の制定後に、特に県立学校の自転車通学生ヘルメットを着用し、併せて損害賠償責任保険に加入することとし、各県立学校で実態に応じた取組を進めているそうです。 本県の県立学校及び私立学校の自転車通学生に対して、ヘルメット着用への指導はどのような内容で行っているか。また、道路交通法改正に合わせて指導を変えていくのか、総務部長及び教育長にお尋ねします。 自転車利用者の安全をめぐって一部の自動車運転者自転車関係者で、いまだに錯綜した議論がなされている論争があります。「横断歩道を横断しようとしている自転車に対して、自動車には、一時停止義務がない」というものです。横断歩道における歩行者優先は、複数の議員の方々が質問され、また、岡山県警も交通安全県民運動の中で推進されるなど、県民のルール遵守が着実に進んでいると考えます。 一方で、私の地元には、信号のない横断歩道が数多くあり、自転車で横断しようと立ち止まっていても、今までの経験では、9割方車は止まってくれません。結果として、車がいなくなってから渡ることになります。子供と一緒に自転車に乗っていて、同様の場面でどのように教えるべきか、ルールを確認しようとした際、さきの論争がなされていることを発見しました。自転車から降りて手で押して通行しようとしている場合は歩行者であり、車には停止義務があるはずですが、例えば、自転車にまたがって横断歩道前で停止している場合は車両として扱われるのかなど、自転車で横断歩道を横断しようとしている場合の車の停止義務について、警察本部長にお尋ねします。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 警察本部長檜垣重臣君。   〔 警察本部長 檜垣重臣君 登壇 〕 ◎警察本部長(檜垣重臣君)  お答えいたします。 自転車の交通安全についての御質問であります。 まず、ヘルメットの着用義務化のうち、着用率向上の方策についてでありますが、議員お話のとおり、令和5年4月までに自転車の乗車用ヘルメット着用が努力義務化されることとなっております。ヘルメットの着用効果は、頭部を受傷する交通事故において、致死率を大幅に減少させることが統計上明らかであり、世代を問わず、その着用が促進されることが望ましいと考えております。 県警察といたしましては、教育委員会等と協働した交通安全教室や、SNS等を活用した広報等により、自転車乗車時のヘルメット着用を呼びかけているところでありますが、引き続き、関係機関・団体と協力して啓発を行うとともに、現場指導を含めて、全世代の方々に対して、自転車利用時のヘルメット着用を訴えかけ、着用率の向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、車の停止義務についてであります。 道路交通法上、自転車に乗車している場合は車両として、また、自転車を押して歩いている場合は歩行者として扱われております。また、車両等の一時停止義務につきましては、同法では、自転車は自転車横断帯のある場所の付近においては、当該自転車横断帯によって道路を横断しなければならないとされており、自転車が自転車横断帯を通行している場合には、他の車両等には一時停止の義務が規定されております。 議員お話の自転車が横断歩道を横断しようとしている場合につきましては、車両等に一時停止義務が課されているとまで考えるのは困難でありますが、交通の安全の観点から、その道路や具体的な交通の状況に応じて、他人に危害を及ぼさない速度で運転していただくことが必要と考えております。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  総務部長須江裕紀君。   〔 総務部長 須江裕紀君 登壇 〕 ◎総務部長(須江裕紀君)  お答えいたします。 ヘルメットの着用義務化のうち、自転車通学生への指導についてでありますが、私立学校に対しては、これまでも、春や秋の交通安全運動等の際にヘルメットの着用を促進するよう依頼しておりますが、このたびの法改正を踏まえ、着用をこれまで以上に促進するよう依頼しているところであります。また、先般、国からの通知を受け、各学校に対し、学校で行う交通安全教育等の機会に、自転車交通ルール等の周知徹底を図るよう依頼したところであります。今後、改正法が施行されることから、学校に対し、対面で行う指導等の機会も活用しながら、法令遵守の徹底や交通安全教育の充実を促してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 ヘルメットの着用義務化のうち、自転車通学生への指導についてでありますが、県教委では、県立学校の交通安全担当者に対して、県警察や関係機関と連携し、事故の実態や最新のデータ等を踏まえ、ヘルメット着用の効果や重要性を周知し、対策としてのヘルメット着用の推奨など、各校での交通安全教育につなげております。このたびの改正により、全ての自転車利用者に対してヘルメット着用の努力義務が課せられることについては、既に県立学校に周知しており、引き続き、ヘルメットの着用を推奨するとともに、法改正の趣旨を踏まえながら、自他の安全を確保することができるよう、交通安全教育の充実に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 5番。   〔 5番 本山紘司君 登壇 〕 ◆5番(本山紘司君)  それぞれに御答弁ありがとうございました。 自転車横断帯の御答弁いただきましたけれども、降りて歩行者になっていれば歩行者ですから、車を運転されている皆さんは、横断歩道の前に自転車がいたら止まってあげるように、これはマナーの一環でもありますので、よろしくお願いします。 さて、コロナ禍の社会、経済活動の停滞により、大きく農産物の需要が減退し、様々な農産物の価格低下が顕在化してきました。このことを問題視した私は、これまで複数回にわたり一般質問で、農業の置かれた厳しい状況を説明し、その対策を県政に求めました。個々の経営努力だけでは問題が解決できず、農業継続が危ぶまれていることについても、繰り返し警鐘を鳴らしてまいりました。 そもそも農業分野には、日照りや長雨といった天候不順や災害、先頃にも、県内の養鶏業を襲った高病原性鳥インフルエンザといった家畜伝染病、こういった不可抗力のリスクが常に付きまといます。加えて、今は、円安、原油高による肥料、農薬、飼料といった資材全般の高騰が、需要減に苦しむ農業に追い打ちをかけています。 東京商工リサーチ社によると、農業の倒産件数が急増し、今年1月から11月期の倒産件数は67件となったそうです。過去20年間で最多であった2020年の80件に迫ろうとしています。中でも、負債額約280億円を抱え、本年3月に、会社更生手続に入った養鶏業者は、そのグループ業者も含めて連鎖倒産し、物価の優等生とも言われる鶏卵の生産に大きな影を落としています。この養鶏業者の大型破綻は、対岸の火事ではなく、倒産こそ免れたようですが、岡山県内にもグループ事業者の巨大な養鶏場があります。この危機を乗り越え、ぜひとも踏ん張ってほしいものです。 さて、こういった畜産業をめぐる大型倒産の原因の一つには、輸入飼料価格の高騰が挙げられます。配合飼料については、国の配合飼料価格安定制度に対して、本県は、飼料価格高騰緊急対策事業による補填を行いました。一方、畜産の中でも、乳牛の飼育には、肥育牛と比べて多くの粗飼料を必要としますが、粗飼料には価格安定制度がないため、価格高騰が経営状態悪化へ直接影響していました。そこで、本県は、酪農経営維持緊急対策事業を決定し、酪農家の粗飼料購入負担額の軽減対策を講じようとしていると伺っています。 そこで、お尋ねします。 9月時点で昨年同月比約1.5倍となった粗飼料価格に対して、今回の緊急対策事業による経費補填が営農継続にどの程度資するものなのか、農林水産部長に所見を伺います。 直近の酪農をめぐっては、本県酪農家を含む広域生乳販売事業者団体と大手乳業メーカーとの乳価交渉で、飲用向け乳価は、本年11月出荷分から1キログラム当たり10円の値上げで合意されました。過去の乳価値上げで消費が減らなかった場合もありましたが、一般的には消費量の減退が予想されます。対策としては、やはり牛乳・乳製品需要の拡大政策が求められます。未就学児をはじめ児童生徒の給食で、牛乳は多く消費されていますが、他県にはこれらに加えて、高校生にも牛乳を提供するなどの事例があります。本県においても、各種イベントでのPR等、県産牛乳・乳製品の需要拡大に取り組まれておりますが、さらなる対策が必要だと考えます。農林水産部長の御所見を伺います。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 農林水産部長万代洋士君。   〔 農林水産部長 万代洋士君 登壇 〕 ◎農林水産部長(万代洋士君)  お答えいたします。 畜産業の経営継続対策についての御質問であります。 まず、酪農経営維持緊急対策事業についてでありますが、今回の補正予算では、国の支援対象にならない育成牛に対し、1頭1万円の給付措置を講じたいと考えております。この事業は、生産コストが上昇している酪農経営に対する支援であり、国の経産牛に対する支援等と併せ、酪農家の営農継続に一定程度寄与するものと考えております。一方で、今後も、飼料価格高騰の懸念があることから、国産飼料への転換が重要であり、水田等を活用した耕畜連携の取組を一層強化するなど、畜産業の経営安定に努めてまいりたいと存じます。 次に、牛乳等の需要拡大についてでありますが、毎年6月の牛乳月間やミルクフェアでのPRのほか、県産生乳100%認定制度の推進などにより、県産牛乳や乳製品の需要拡大に取り組んでいるところであります。また、今年度は、新たに、県酪農乳業協会等と連携し、フードバンクや子ども食堂等へ牛乳・乳製品を無償提供する事業に取り組んでいるところであります。今後、国や乳業団体等が実施する取組に歩調を合わせるとともに、お話の他県での事例も参考にしながら、引き続き、県産牛乳や乳製品の需要拡大に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  次の項目に移ります。 5番。   〔 5番 本山紘司君 登壇 〕 ◆5番(本山紘司君)  主食用米の需要が減退し、民間在庫が積み増されていることが、現在の米価低迷の大きな原因と言われています。主食用米の需給環境を改善する方策として、飼料用米への転換が進められてきました。特に、2020年産米では、主食用米として一般品種を作付後、飼料用米への仕向けの転換も認めることなどにより、順調に作付面積が増えています。一方、一般品種を飼料用米として取り扱うことを認めれば、転作として取り組みやすい飼料用米へ誘導していることにもなり、産地化を目指す麦、大豆、子実用トウモロコシなどへの転換が進まないことになるため、国は、一般品種への支援水準を引下げ、多収品種への転換をより進める方針だとされました。詳細は、検討中とのことですが、令和6年産から令和8年産への3年間で、段階的に一般品種の標準単価を現行の8万円から6万5,000円へ引き下げていくとのことです。 そこで、お尋ねします。 国で行われている議論の推移も注視していかねばなりませんが、飼料用米の多収品種への転換について、本県の取り組む推進方針を農林水産部長にお尋ねします。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 農林水産部長万代洋士君。   〔 農林水産部長 万代洋士君 登壇 〕 ◎農林水産部長(万代洋士君)  お答えいたします。 飼料用米についての御質問でありますが、飼料用米は、大豆などの畑作物への転換が困難な地域においても栽培が可能であり、水田の有効活用の面からも重要な品目であることから、多収品種、一般品種にかかわらず作付転換を推進してきたところであります。このたび、国では、一般品種については、需給動向次第で主食用米に戻りやすく、転換後の定着性が低いことなどから、対応方向として、多収品種を基本とした支援体系への転換を検討することとされました。 県では、国における今後の議論を注視しながら、地域農業再生協議会等との意見交換などにより、情報の共有や地域の意見集約に努めるとともに、課題を整理した上で、関係機関・団体と連携し、対応の方向性について検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  5番。   〔 5番 本山紘司君 登壇 〕 ◆5番(本山紘司君)  御答弁ありがとうございました。 特に、多収品種の種の問題がやはり畜産、そして耕種共々に問題になっておりますので、検討を進めていただきたいと思います。 最後に、要望ですけれども、先週12月8日の衆議院農林水産委員会において、我が党を含め7会派共同で「令和5年度畜産物価格等に関する件」と題した決議が総員賛成で採択されました。飼料価格の高騰は、飼料自給率の低い我が国において、食料安全保障に関わる問題であり、飼料の輸入依存からの脱却を目指すとされました。国の示す強い危機感を共有しつつ、県内の農畜産業のさらなる振興に努めていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。 ○副議長(太田正孝君)  以上で本山君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 1番秋山正浩君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  皆さん、おはようございます。 民主・県民クラブの秋山でございます。 本日の一般質問最終日、2番バッターとしてその役割を果たしていきたいと思っております。送りバントではなく、こつこつ当てていきたいと思いますので、前向きな御回答のほど、よろしくお願いいたします。 12月8日、岡山県で生産している軽EVが、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。日本カー・オブ・ザ・イヤーの歴史上、軽自動車が賞を獲得するのは初めてであり、この快挙は、全国に先駆けてEVシフトを進める方針を打ち出された伊原木知事をはじめ、多くの自治体の協力と関連する企業の努力のたまものと思っております。引き続き、環境に優しく、安全・安心、快適な車を提供され、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、EVが大きく貢献していくことを期待しております。 それでは、早速でありますが、通告に従い質問させていただきます。 一部所属委員会に関連する質問がございますが、部局をまたがる内容であり、御容赦いただければと思います。 それではまず、防災・減災の取組についてお伺いいたします。 「災害は忘れた頃にやってくる」と言われますが、防災・減災の取組については、常日頃より意識の高揚を図ることが重要であり、切れ目なく継続した取組が必要であります。また、自然災害に対する平時からの備えが大切であることは、言うまでもありません。 本年8月、「令和4年度県民満足度調査(防災対策編)」の調査結果報告書が公表されましたが、防災に対する意識が希薄化しているのではないかと思える結果もあり、残念に思うとともに、より一層の防災意識の高揚に向けた取組が必要不可欠と考えます。本調査結果に対する受止め及び今後の取組について、危機管理監にお伺いいたします。 本年9月、過去最強クラスの台風と言われた台風14号でしたが、幸いにも本県において大きな災害はありませんでした。その際、本県で避難指示が出ていた人のうち、避難所へ避難された方は、その避難に当たって、おかやま防災ポータルなどから情報収集をして判断された方が多かったのではないかと考えます。本県では、早期の水防活動や住民の避難判断等を支援することを目的に、水位計を185か所へ、河川監視カメラを77か所に設置し、洪水時の河川状況等をリアルタイムに提供しています。これらの情報が有効に活用されていることからも、市町村等と連携を図り、増設の検討をすべきと考えますが、土木部長の御所見をお伺いいたします。 現在、地区防災計画と個別避難計画の作成モデル事業に取り組んでいますが、とりわけ要配慮者の避難体制の整備は急務です。昨年5月、災害対策基本法の一部改正に伴う福祉避難所の確保・運営ガイドラインの改訂により、一定の基準を満たせば、高齢者や障害のある方をはじめとする要配慮者が、直接、福祉避難所へ避難できることとなりました。 昨年6月定例会の一般質問におきまして、改訂に対する受け止めと課題及び今後の取組について質問したところ、当時の保健福祉部長から、「災害時に福祉避難所へ直接避難できるようになることで、災害時の混乱を回避し、要配慮者の速やかな避難につながるものと考えております。今後、説明会や研修会等を通じて、市町村に対してその内容を周知してまいりたいと存じます」との答弁がありました。要配慮者の避難行動については、移動への負担が避難行動を妨げる要因の一つとして問題視されていたことから、ガイドラインの改訂を受け、要配慮者の福祉避難所への直接避難が進むことに期待しているところではありますが、現在の状況についてお伺いいたします。 また、新型コロナウイルス感染症対策も含め、市町村による福祉避難所のさらなる確保が必要と考えますが、現時点における設置数及び増加に向けた取組について、併せて保健福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 危機管理監根石憲司君。   〔 危機管理監 根石憲司君 登壇 〕 ◎危機管理監(根石憲司君)  民主・県民クラブの秋山議員の質問にお答えいたします。 防災・減災の取組についての御質問であります。 令和4年度県民満足度調査結果についてでありますが、ハザードマップや避難経路等の確認を行っている県民の割合が、平成30年7月豪雨災害後に一旦高まったものの、その後、減少傾向が続いており、被災から4年が経過し、県民の記憶が薄まってきていること、コロナ禍により、避難訓練など、地域での防災活動が中止されたことが要因ではないかと考えております。 県では、防災意識を啓発するセミナーの開催や自主防災リーダーの育成などに取り組んでいるところですが、今後、防災への関心が低い方々にも、地域の災害リスクや備えの重要性を理解していただけるよう、防災関係機関や防災協定締結済みの関係団体の知見や協力をいただきながら、効果的な普及啓発を行い、防災意識の高揚に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  土木部長筋野晃司君。   〔 土木部長 筋野晃司君 登壇 〕 ◎土木部長(筋野晃司君)  お答えいたします。 水位計等についてでありますが、お話の県が設置したものに加え、国や市町村と連携し、合計194か所の水位計、167か所の河川監視カメラ画像の情報を、おかやま防災ポータルにより、市町村や住民の方々に提供しております。このうち約半数は、平成30年度から令和2年度までの間に、市町村等の意見を聞いた上で、県で集中的に増設したものであります。このため、現時点では、水位計等のさらなる増設は考えておりませんが、今後、水防活動や避難判断等において必要性が生じれば、検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  保健福祉部長徳本史郎君。   〔 保健福祉部長 徳本史郎君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(徳本史郎君)  お答えいたします。 福祉避難所についてでありますが、国のガイドラインの改訂を受け、昨年度、県は、「福祉避難所設置・運営マニュアル策定ガイドライン」を改訂し、市町村は、福祉避難所の対象者を特定して公示するなど、直接避難が可能となる体制づくりを進めているところであります。また、県内の福祉避難所の設置数は、令和4年4月1日現在、335施設であり、県では、市町村が取り組む個別避難計画策定の支援を行っており、今後とも、市町村に対して、個別避難計画に基づき、必要となる福祉避難所の設置を働きかけてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 まず、防災に対する意識の部分、まさにその結果を私も見させていただいて、右肩下がりになっているというのが、非常に気になるなと思いましたので、様々な部分でその意識の高揚に取り組み、こつこつとしていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。 水位計と監視カメラについてですけれど、先ほど答弁の中で194の水位計と河川監視カメラが167ということで、今後についても増設は考えていないということでありますが、必要性が生じればということで御答弁いただきましたが、これは、現実的に、市町村から増設してほしいというような要望、声が来ているのか、来てないのかが分かれば教えていただきたいと思います。 ○副議長(太田正孝君)  土木部長。   〔 土木部長 筋野晃司君 登壇 〕 ◎土木部長(筋野晃司君)  再質問にお答えいたします。 水位計やカメラについての市町村からの声というところでございますけれども、平成30年の豪雨の後、市町村と調整いたしまして、声をいただいた上で、先ほど申し上げた数字の半数のところは増設したところでございますので、現在のところでは、今の数で、また、防災活動を行っていただきまして、また、状況を見ながら、これでまた、御要望があれば、考えていこうと思っておりますけれど、今のところは一旦お声を集約した上で増設したところでございますので、特段の御要望は改めてはいただいていないという認識でございます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 平成30年のときの声ということで、そこから今になっているということで、河川はある意味生き物でありますし、掘削しても何年か後で、また、たまってくるということもありますので、ぜひ、今後、市町村とも連携していただきながら、その場所場所の検討もしていただきたいと思いますので、お願い申し上げておきたいと思います。 そういった避難行動の部分なんですけれど、福祉避難所への直接避難、これも先ほど申し上げましたが、昨年の5月になったということで、今1年半がたとうとしていますけれど、私の認識は、あまり動きが出ていないのかなというのが正直なところです。多くの課題があるということも存じ上げておりますけれど、これは実際に、何かモデル事業であるとか、スケジュール感を持ってやるということが必要ではないかなと思っているのですけれど、そのあたりいかがお考えでしょうか。 ○副議長(太田正孝君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 徳本史郎君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(徳本史郎君)  再質問にお答えいたします。 福祉避難所への直接避難がなかなか進まない状況に対して、何か県としての取組ということでございます。 昨年のその答弁でも、研修会を通じて市町村に内容説明ということを答弁させていただいたと思っております。その後の取組について御説明させていただくと、令和3年10月、11月に、市町村職員、そして施設職員等を対象といたしました福祉避難所の設置運営に関する実務研修を開催いたしました。そして、福祉避難所の制度改正内容の説明、そして福祉避難所設置マニュアルの作成について研修を実施しております。今年度におきましても、市町村防災担当者の説明会において、福祉避難所の制度改正内容を改めて周知しているところでございます。 また、岡山県の地区防災計画等作成のモデル事業も行っておりまして、こちらは、事務局は危機管理課がやっておるところでございます。モデル事業として、県が市町村等の地区防災計画、または、避難行動要支援者の個別避難計画の策定を支援する取組をしております。そういったことを含めまして、横展開をして、県内全域でしっかりと対応を取れるように、県として取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 福祉避難所の課題もありますし、避難所に行くまでの課題もあろうと思いますので、ぜひ市町村及び福祉避難所の方々とも連携していただきながら進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは次に、ガソリンスタンドの減少対策等についてお伺いいたします。 現在、全国的にガソリンスタンドの大幅な減少が問題視されています。1994年のピーク時には、6万421か所にあったガソリンスタンドも、2021年度末には2万8,475か所へと大幅に減少しており、要因としては、自動車の技術革新による燃費の向上やハイブリッド車、電気自動車等の普及、また、後継者不足や2011年の地下貯蔵タンクの流出防止対策の強化により、古いガソリンスタンドは改修をするよりも廃業を選択しているとのことです。ガソリンスタンドが減少するということは、給油のほかにサービス業務を行うサービスステーションも減少していることとなります。 本年3月末、資源エネルギー庁は、給油所が3か所以下の市町村をサービスステーション過疎地、いわゆる「SS過疎地」として公表しました。全国には、348の市町村があり、本県においては、2村3町がSS過疎地となっています。今後、自家用車や農業機械への給油や移動手段を持たない高齢者への冬場の灯油配送などに支障を来すことから、「SS過疎地問題」が顕在化するものと考えます。さらには、SS過疎地等において、自家発電設備を備え、災害などが原因の停電時にも継続して地域の住民に給油できる、「住民拠点SS」を維持していくことも必要です。ガソリンスタンドの減少に対する今後の対策について、県民生活部長の御所見をお伺いいたします。 また、地方での移動手段として、自家用車が唯一の移動手段であり、居住市町村にガソリンスタンドがない場合や近くにない場合は、生活に大きな影響を与えることになります。SS過疎地等、中山間地域での唯一の移動手段である自家用車を、今後も、利用可能としていくため、どのようにお考えでしょうか、併せて県民生活部長にお伺いいたします。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 県民生活部長池永亘君。   〔 県民生活部長 池永 亘君 登壇 〕 ◎県民生活部長(池永亘君)  お答えいたします。 ガソリンスタンドの減少対策等についての御質問でありますが、県では、ガソリンスタンドが減少する中、生活サービス拠点の維持等のための生き活き拠点強化支援事業等により、地域等が中心となったガソリンスタンド存続に向けた取組を支援しているところであります。今後とも、市町村と連携し、地域課題の解決に向けた県や国の支援策などの積極的な活用を促すことにより、住民拠点サービスステーションの維持も含め、地域に必要な生活サービス機能の維持・確保に取り組んでまいります。 また、自家用車が唯一の移動手段となっている中山間地域においては、各種支援策による取組に加え、自宅で充電できるEVも有効な選択肢であり、その活用も含め、自家用車が継続して利用できるよう、市町村等と連携し、取組を検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 ガソリンスタンドの減少に対して市町村とも連携しながらということですけれども、今、既にガソリンスタンドが1か所のところが2村あるということで、実際に全国的に見ると、地方自治体が運営する公設、もしくは公設民営というガソリンスタンドも、徐々に中山間地域では増えてきている。そういったお考えは、ありますでしょうか。 ○副議長(太田正孝君)  県民生活部長。   〔 県民生活部長 池永 亘君 登壇 〕 ◎県民生活部長(池永亘君)  再質問にお答えいたします。 今、既にガソリンスタンドを公設で民営しているところがあるかどうかということ、今後、どうするのかということだと思います。 既に県内においても、公設民営、県北ですけれども、やっているところがございます。そこへ移行するまでには、議員おっしゃったように、これまでガソリンスタンドを維持することが難しいということで、そこで公が乗り出していって、それを民間へ委託するという形で運用しているものです。それについても、先ほど申し上げました県の支援事業、あるいは国の支援事業等、それは当然市町村の協力があった上での支援になりますけれども、そういったものを活用した上でやっているものもございます。今後とも、そういう部分、市町村の状況、地域の状況をよく確認しながら、一緒になって支援をしていくということを考えております。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 これからまさにEVに代わりつつあるということで、ガソリンスタンドにとっては非常に厳しくなってくるということになりますので、ぜひそういった状況を注視していただきながら、そこに居住する方の生活に支障を来すことがないように対応いただけたらというふうに思います。 そしてまた、EVの促進というのも一つのアイデアと思いますので、よろしくお願いいたします。 その流れに沿って、環境文化部長、よろしくお願いします。 EVシフトに対応した取組についてお伺いいたします。 2018年8月、本県と三菱自動車工業株式会社との間で、本県におけるEVシフトに対応した産業の振興と地域の実現を図ることを目的とした連携協定が締結されました。協定では、県内企業のEV・PHEVに関する新技術及び新製品の開発支援に関すること、EV・PHEVの普及啓発に関することなど、4項目を取組事項とし、全国に先駆けてEVシフトに対応した産業と地域の実現を目指してきました。 2018年8月に協定を締結して以降、2020年10月には、国において、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことが宣言され、その翌年、2021年には、カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略の一環として、2035年までに、乗用車新車販売における電動車の比率を100%とする目標が掲げられました。また、自動車メーカー各社においては、ライフサイクルアセスメント(LCA)の取組に動き出しています。自動車産業、EV等を取り巻く環境は大きく変化していることからも、新たな取組事項を検討し、より一層連携を強化していく必要があると考えます。来年度以降の連携についてどのようにお考えでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。 本年は、「電気自動車、EVの普及元年」と言われるとおり、自動車メーカー各社から様々なEVが発表・発売されています。しかしながら、半導体不足がEVの生産に大きな影響を与えていることから、EVの普及率はまだまだ低調でありますが、2035年に向けてEV等のシェアは拡大していくものと考えます。昨年度までは、業務用車両として新たにEV等を導入する法人を対象に、経費の一部を補助する業務用車両EV等転換支援事業の実施や、本年度においては、電気自動車の魅力や補助制度のチラシを作成し、普及促進に取り組んでいます。他方、個人に対しては、EV等の購入補助を行っている市町村を通じ、間接的な補助を行っているものと認識していますが、より一層、EV等の普及促進を図るためにも、EV等導入費補助事業を継続して実施すべきと考えますが、環境文化部長の御所見をお伺いいたします。 EV等の充電利用シーンとして、まず1つ目は、住宅や事務所の駐車場など、ドライバーがふだん最も御滞在する場所で行う基礎充電です。現在、オフィスや工場に充電器を設置して、福利厚生の一環として従業員向けに充電器を無料開放するという企業も増えています。 次に2つ目は、目的地に着くまでに足りない分を補う経路充電です。経路充電については、本年11月、ENEOS株式会社がEV経路充電サービス、「ENEOS Charge Plus」を開始し、2022年6月に、日本電気株式会社から継承した普通充電器約6,100基の運営に加え、急速充電器については、2030年には最大1万基の設置を目指しているとのことです。 そして3つ目は、観光地やショッピングモール、道の駅や宿泊施設、ゴルフ場、キャンプ場など、目的地の施設で行う目的地充電の3つに区分されます。 EV等を安心かつ快適に使うことのできる充電インフラ環境を整備し、EV等の普及を促進することによって、県内の温室効果ガスの排出抑制を図るためにも、積極的な県の支援が必要不可欠と考えますが、今後、充電器設置における支援をどのようにお考えでしょうか、環境文化部長の御所見をお伺いいたします。 現在、県が設置した急速充電器は、岡山県庁はじめ8か所にあり、県と市町村がそれぞれ管理をしています。約10年前には、12か所に設置されていましたが、既に4か所は廃止・撤去されており、採算性の問題から撤去されるケースがあるとお聞きします。徐々にではありますが、県庁や市町村庁舎などにある急速充電器を有料化する自治体も増えており、鳥取県のように、急速充電器の更新のタイミングで有料化し、保守管理業務を民間委託することも一つのアイデアと考えますが、環境文化部長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  民主・県民クラブの秋山議員の質問にお答えいたします。 EVシフトに対応した取組についての御質問であります。 連携についてでありますが、自動車メーカーのEV開発が加速する中、サプライヤー間の競争が激化するとともに、EVが環境に優しく、中山間地域での移動手段としても期待できることから、EVシフトへの対応を一層進める必要があると考えております。このため、サプライヤーの技術開発支援やEVの普及促進に加え、今後、開発人材の育成や市町村と連携した地域課題解決への活用など、三菱自動車工業との連携を強化し、取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  環境文化部長佐藤将男君。   〔 環境文化部長 佐藤将男君 登壇 〕 ◎環境文化部長(佐藤将男君)  お答えいたします。 まず、普及促進についてでありますが、県内のEV等保有台数は、順調に伸びているものの、自動車保有台数全体に占める割合としては依然として低く、引き続き、普及促進が重要であると考えております。このため、お話のEV車両導入に対する補助についても、引き続き、必要な取組であると考えており、今後とも、より多くの市町村で実施されるよう働きかけるとともに、EVの普及状況や事業効果などについて様々な角度から検討した上で、事業の推進を図ってまいりたいと存じます。 次に、充電器設置支援についてでありますが、EVのさらなる普及には、お話の充電利用シーンや今後の普及状況に応じて、充電設備の設置場所や出力、台数などについて、利便性の高い充電環境となることが望ましいと考えております。このため、現在、国の支援制度と併せ実施している県の補助制度について、マンション等の集合住宅や商業施設等での設置がより促進されるよう、補助要件の緩和を検討するほか、事業所や商業施設等での導入事例を紹介し、その手法や効果を広く周知することとしております。また、今後の望ましい充電環境整備に向け、県として、新たな推進計画の策定についても併せて検討しており、こうした取組により、県内の充電環境のさらなる整備促進を図ってまいりたいと存じます。 次に、県設置の急速充電器の有料化等についてでありますが、県が設置した急速充電設備については、これまで無料で運用してきたところですが、受益者負担の原則やEVの普及状況、民間による充電設備設置への参入動向などを踏まえ、県が直接管理しているものについては、今後、有料化や普通充電設備への変更、保守管理業務の民間委託等も含め、検討してまいります。また、市町村が管理しているものについては、今後の設備更新の判断に当たって参考となる情報等を提供した上で、必要に応じて国や県の補助制度の活用を促すなど、支援に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  答弁者は答弁席へお願いします。 1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 まず、連携の部分、今回、質問させていただきましたのが、インターネットで「岡山県知事、EV」と打つと、2019年2月に、知事が「EV日本一へ旗を立てる」と題したインタビュー記事が一番最初に出てきまして、この中での「EVとして新しい分野で先行者利益が約束されているわけではないけれど、諦めずに取り組んでいく。次の世代、そのさらに次の世代が、そういえばあのとき、岡山県は昔からEVに対して頑張ってたよねというふうに、外から評価してもらえれば、いいよねといった取組をしていきたいな」とインタビューで答えられていました。まさに、今日、冒頭で申し上げましたが、そういった思いが具現化されたのが、まさにこの日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞につながっていくのかなと思いまして、そしてさらに、もう一歩前進化の持った連携をしていただきたいという思いで、今回質問させていただきましたので、ぜひ引き続き、よろしくお願いいたします。 それと普及促進の部分について、今、個人向けのほうで、岡山市を含めて13の市町村でこの補助事業を行っています。ここを間接的に県が補助していただいているという流れなんですけれど。先ほどちょっと質問ではないんですけれど、中山間地域とかで市町村が取り組んでいただけるような取組も、僕はしていくべきだと思ってまして、もちろん間接的な補助ということで、それを市町村がやるかやらないかというのは、判断にはなると思うんですけれど。ぜひそういったところでも、より積極的に取り組んでいただけるようなアプローチをしていただければなと思うんですけれど、そのあたりどうお考えでしょうか。 ○副議長(太田正孝君)  環境文化部長。   〔 環境文化部長 佐藤将男君 登壇 〕 ◎環境文化部長(佐藤将男君)  再質問にお答えいたします。 中山間地域をはじめ、より多くの市町村での活用というお話でございます。 先ほども御答弁させていただきましたが、我々、できれば全市町村で取り組んでいただきたいということで、働きかけは続けてきておりますが、今、議員お話のとおり、まだまだ全市町村での取組にはなっていないところであります。今後、まだ県の補助事業を活用してやりたいという市町村が現れてきておりますので、さらなる市町村での取組を積極的に働きかけてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  引き続き、よろしくお願いいたします。 充電器についてですけれど、今、充電器を、3つのシーンということで、区分してお話させていただきました。乗用車の部分に対してどうしていくかという議論が、これまでずっとされているんですけれど。 先日、私の車の前に、EVトラックが走っていまして、少し調べてみると、県内企業が、実験的にまず乗ってみて、今後、それを増やしていくかというのは検討していきますということで、早速そこの企業の方に連携させていただいたんですけれど、やっぱり問題は距離と充電器の価格になってきまして、上田議員がよく普通充電器を増やすべきと言われていますが、これは僕もそう思います。ただ、物流業界の中で普通充電器になると、どうしても距離の制限がありますので、基本的には急速充電で100%行かずしても、少しずつためていけば距離は延びるということで、移動範囲も増えるというような形になりまして、少しこのあたりを、今までは乗用車に対するEVをどうしていくかということだったのですけれど、物流関係で使う場合にどう考えていくかというのも、少しこれから議論を深めていく必要があるのかなと思っているのですけれど、そのあたりいかがお考えでしょうか。 ○副議長(太田正孝君)  環境文化部長。   〔 環境文化部長 佐藤将男君 登壇 〕 ◎環境文化部長(佐藤将男君)  再質問にお答えいたします。 物流関係の車両に対しても、そういったものに配慮した充電環境をという御質問かと思います。 お話のとおり、二酸化炭素の排出量というのは、運輸部門でも一定のウエートを占めているということでございまして、物流関係につきましても、今後、EV化が進むというのが大変望ましいことだと、私も考えております。 お話のとおり、充電環境シーンということで、経路充電につきましては、急速充電器の整備というのが大変大きな柱にはなろうかと思います。我々も今回お話しいただきましたいろいろな充電のシーン、目的地、自宅、事業所での基礎充電でありますとか、目的地充電と併せて経路充電もしっかりと目配りして、先ほどの推進計画のお話もさせていただきましたが、県内でそういった急速、普通併せてバランスよく、充電環境がどういった形で整備されるのかというのも、しっかり、今後、考えていきたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 先ほど申し上げた急速充電の場合、一番課題になるのが、スペースの問題になりまして、もちろん急速充電の大きさの部分と、先ほどの分でいえば、トラックになりますので、それをどう設置していくかというのは、もしかしたらこれは、また、今後、そういった物流の方とお話を聞いたりする会があってもいいのかなと思いますので、ぜひそういった観点で、今後とも、よろしくお願いいたします。 それでは続きまして、子供たちの体力向上についてお伺いいたします。 「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」いわゆるスポーツテストにおいて、全国的に子供たちの体力が低下傾向にあることが指摘されています。 近年、新型コロナウイルス感染症の影響による運動時間の減少や、ゲームやスマートフォンなどの利用時間を示すスクリーンタイムの増加が、子供たちの体力低下の要因として挙げられています。 本県においては、とりわけ、小学生の体力が低下傾向にあることからも、子供たちの体力向上に向けた事業が展開されており、令和2年度から、体育授業の改善・充実に資することを目的とし、「体育授業力アップモデル校事業」が実施されています。現在、倉敷市立第一福田小学校をはじめ、県内6つの小学校で実践されており、本年2月には報告会が行われています。間もなく成果の普及がなされるものと認識しますが、体育授業力アップモデル校事業の評価及び課題と今後の展開スケジュールについて、教育長にお伺いいたします。 この季節になりますと、どうしても意識が薄くなってしまう地球温暖化についてですが、近年、猛暑日や熱帯夜となる日数が増えています。 令和3年5月、国は、「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」を公表し、WBGT、いわゆる暑さ指数の段階に応じた熱中症予防のための行動の目安を示しました。具体的には、21~25度では注意、25~28度では警戒とし、積極的に休憩、28~31度では厳重注意とし、激しい運動は中止、31度以上では運動は原則中止と定められており、定期的に暑さ指数を計測し、危険度を把握することで、より安全に授業や活動を行うことができるとされています。 各学校のグラウンド等で測定した数値及び日数とは誤差があると思いますが、国の熱中症予防情報サイトによると、本年、本県で熱中症警戒アラートは、17日発信されています。倉敷を例とすれば、暑さ指数が31度以上の日は30日ありました。暑さ指数が31度の場合、国のガイドラインでは、運動は原則中止とされていますが、体育の授業についてはどのような対応をしているのでしょうか。 また、来年度以降も暑さ指数が31度以上の日が増えてくることは、想像できます。例えば、夏の体育の授業は、午前中に行うといった時間割の工夫や体育館の空調整備など、体育の授業ができる対策を検討すべきと考えますが、併せて教育長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 子供たちの体力向上についてのうち、まず体育授業力アップモデル校事業についてでありますが、これまでの実践校では、「楽しくて身につく体育授業」への改善や運動の習慣化などに向けた実践研究に取り組み、その結果、学校全体で子供の体力向上への意識が高まったことで、体力テストの合計点の上昇や1週間の総運動時間数の増加など、一定の成果が見られております。今後は、実践研究で得られた好事例を、いかに県内に横展開していくかが課題であると考えており、本年度の実践校による成果報告会を1月に開催するとともに、来年度以降も、引き続き、これまでの実践校の取組と成果を各校の体力向上担当者を対象とした研修会等において周知し、県内全ての学校で体力向上に向けた取組がさらに進むよう指導してまいりたいと存じます。 次に、熱中症対策についてでありますが、県教委では、お話のガイドライン作成の手引きを市町村教委や学校に周知するとともに、毎年、熱中症事故の防止についての通知を発出したり、体育担当者の研修会等で繰り返し注意喚起を図ることで、事故の未然防止に努めております。各校においては、より安全に活動するために、湿度、輻射熱、気温から求められる暑さ指数であるWBGTをはじめ、活動場所の環境や児童生徒の様子なども考慮しながら、運動の強度や実施の可否等を判断しております。また、体育授業を実施するための対策として、体育館の空調整備までは考えておりませんが、時間割や活動場所の変更、授業時の適切な水分補給の徹底、屋外の休憩用テントの設置、ミストシャワーの活用等を行っております。 熱中症は、命に関わる危険があることから、引き続き、熱中症予防に万全を期すよう、市町村教委や学校を指導してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  次の項目に移ります。 1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 また、横展開をぜひしていただきながら、体育を好きになっていただく、運動する子を増やしていただきたいなと思っています。 熱中症対策についてですけれど、間違いなくこれからどんどん温度は上がっていくでしょうから、体育の授業は、基本、安全第一で、WBGTが31度を超えたら運動は中止ということは、もう十分理解はするんですけれど。やはり一方で、私自身、体育、スポーツを通じて育ってきた人間でもありますので、これはもう非常に重要な位置づけにあると思っていますし、鍵本教育長の中で、夢育の部分にも、私、この体育、スポーツというのはつながると思っています。まさに、非認知能力が出てくる部分が、このスポーツかなと思っていますので、ぜひこの環境の中で、体育の授業ができる、スポーツができる、業間遊びにドッジボールができる、その環境の整備をぜひともつくり上げていただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。 それでは、最後になりますが、おかやままなびとサーチについてお伺いいたします。 昨年10月、県教育委員会は、県内の博物館、美術館、大学、企業等で撮影した動画を中心に、思わず学びたくなる小学生・中学生のための学びのコンテンツサイト、「おかやままなびとサーチ」を開設しました。私も見させていただきましたが、多くのコンテンツが分かりやすく整理されており、大変使いやすいと感じましたし、また、ついつい大人も見入ってしまう動画もありました。この「おかやままなびとサーチ」が、子供たちにとって楽しみながら学ぶことができるコンテンツサイトになることを期待しているところであります。 現在、疑問や問いをつくるための動画や解決するための動画、学習内容を活用・発展させる動画が用意されており、国語、社会、理科、体育などの授業への活用を促していますが、現時点、授業で活用した事例はあるのでしょうか。また、今後、どのように活用を推進していくのでしょうか、併せて教育長の御所見をお伺いいたします。 県教育委員会は、一人一人の子供が自分の中で夢を育みながらそれに挑戦していく経験を通して、意欲や自信などの自分を高める力を養っていく教育、「夢育」に取り組まれています。夢の定義は、様々ございますが、将来なりたい職業や就きたい仕事も夢の一つとして挙げられます。 現在、「お仕事館」では、どんな仕事なのかを聞いてみたシリーズとして、県職員をはじめ、飛行機の整備士や消防士などの仕事ぶりが紹介されています。まさに、子供たちが将来なってみたい夢を見つけることができる内容ではないかと思っております。今後、保育士や看護師、建設業や自動車整備士など、多くの職業を紹介してはいかがでしょうか。また、「産業館」については、働くことの魅力を感じてもらうために、仕事の様子や工場見学等を視聴することができます。今後、本県にある多くの企業を紹介することを検討してはいかがでしょうか、併せて教育長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 おかやままなびとサーチについてのうち、まず授業での活用についてでありますが、本年10月に、倉敷市の小学校で県南の大地の成り立ちが分かる動画を活用し、自分たちが住んでいる地域の大地がどのようにしてできたのかを考える6年生理科の授業を公開しました。子供たちや参観した教員からは、分かりやすく学びが深まったなどの声が聞かれました。このほか、県教委では、まなびとサーチのサイト内等において、授業での活用方法を案内したり、児童生徒の1人1台端末にまなびとサーチへのショートカットを作成し、使いやすい環境を整備することで、少しずつ活用が増えているところであります。引き続き、コンテンツの充実に努めるとともに、広報誌や研修会等で実践を紹介するなどして、授業をはじめ様々な場面で活用されるよう、周知を図ってまいりたいと存じます。 次に、多くの職業紹介等についてでありますが、子供たちが自分の将来の夢に出会うために、社会には様々な仕事があることを知ることは重要であると考えております。今年度は、お話の仕事に加え、プロスポーツ選手の仕事を紹介する動画や、ニュース番組が放送されるまでの制作過程を紹介する動画等を追加したところであります。また、建築家や声優など、岡山ゆかりの人々が人生を振り返り、自分の夢を実現するまでの道筋を語る動画も、これから順次公開してまいります。引き続き、県内企業の皆様にも協力いただきながら、仕事の内容や工場などの職場の様子を紹介することで、子供たちの夢を育むコンテンツの充実に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  1番。   〔 1番 秋山正浩君 登壇 〕 ◆1番(秋山正浩君)  御答弁ありがとうございました。 今回質問させていただいたのは、こういったコンテンツサイトはネット上に多くありまして、大体開設をした当初はぐっと右肩上がりで、一定のところまでいくと横になって、気がつくとフェードアウトしていたというサイトはよくあります。先ほども申し上げましたが、子供たちが楽しみながら授業ができるということは、本当にいいことだと思いますので、継続的にコンテンツも充実させていただきながら、対応いただけたらと思っています。 もう一つ、「お仕事館」の中で、少し触れさせていただいた介護士とか、整備士とかというところ、これはまさに今、人材が不足しているような職業、ただ絶対必要な職業でもありますので、そういった部分も小さい頃から、こういった職業があるということも子供たちに伝えることで、よりそういった部分に行く夢を持ってもらえる子供が増えるのかなと思いますので、それも含めて要望させていただきます。 以上で一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(太田正孝君)  以上で秋山君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 10番大森一生君。   〔 10番 大森一生君 登壇 〕 ◆10番(大森一生君)  皆様、こんにちは。 自由民主党10番の大森一生でございます。 早速ですが、通告に従い質問に入らさせていただきます。 まず最初に、高齢者の貧困についてお伺いいたします。 65歳以上の高齢者が総人口に占める割合を表す高齢化率は、総務省統計局によると、2021年に29.1%となり、世界で最も高く、2040年には35%を超えることが推計されています。高齢化が進むと同時に、「高齢者の貧困」と目の前に迫る「2025年問題」がここ数年注目されています。貧困には、「絶対的貧困」と「相対的貧困」があり、絶対的貧困とは、国や地域にかかわらず、生きるための必要最低限の生活水準が満たされていない状態を指し、これに対し相対的貧困とは、国ごとにその国の文化水準や生活水準と比較して困窮している状態を言い、世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分に満たない状態のことと定義されており、日本における貧困は、こちらの定義が使用されています。 2019年の厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、2018年の等価可処分所得の中央値の半分を表す貧困線は127万円で、相対的貧困率は15.7%となっています。また、OECDのデータによると、加盟国36か国のうち、相対的貧困率が最も高かったのはコスタリカ、2番目にアメリカ、3番目がイスラエル、そして日本は8番目でした。逆に、貧困率が最も低かったのはアイスランドでした。日本の貧困率15.7%は、6人に1人が相対的貧困層ということになり、これまで貧困問題は途上国の問題であって、日本では大きな問題ではないと思っている方も多いのではないでしょうか。また、国立社会保障・人口問題研究所の2015年~30年の単身世帯数の推移、将来推計を見ると、2015年の単身世帯数は約1,842万世帯で、総世帯の34.5%が独り暮らしをしていて、2030年には単身世帯数は約1割増加して約2,025万世帯となり、総世帯の37.9%を占めると予測されています。 ここで注目すべきは、2015年~30年にかけて、中年層や高齢者で単身世帯が増加していく点です。2015年で最も多くの単身世帯を抱えているのは、20代ですが、それは進学や就職などを機に親元を離れ、独り暮らしを始める人が多いためで、30代以降の単身世帯数は、結婚などを機に減少しています。また、2015年の女性の単身世帯数は、20代のみならず70代で単身世帯が多く、その要因として、女性の平均寿命が男性より長く、夫と死別して独り暮らしになる女性が多いためです。ところが、2030年になると、年齢階層別単身世帯数は一変し、20代の単身世帯数は少子化の影響で男女とも減少し、単身世帯で最も多いのは、50代男性と予測され、2015年の1.3倍になっています。また、80歳以上の男性の単身世帯は、2015年の約2倍になると予測されています。他方、女性の単身世帯で最も多いのは80歳以上となり、2015年の1.6倍に、50歳においても1.5倍になると見られています。 また、厚生労働省によると、高齢者世帯の所得のうち、総所得の82.2%を公的年金、恩給が占めており、さらに公的年金、恩給が取得の100%という世帯が56.8%となっています。また、未婚、死別などの配偶者なしの方の公的年金受給額の分布状況を見ると、120万円~180万円未満が25.3%と一番多く、120万円未満の総数は実に43.2%となり、女性に絞ってみれば、45.2%にも上り、約半数の方が占めていることが分かります。また、相対的貧困の所得水準に近いのが生活保護です。厚生労働省の被保護者調査の最新結果によると、全体の被保護者世帯における高齢者世帯の割合は55.6%と、半数を上回っており、そのうち単身者世帯が51.4%となっていて、高齢者の被保護者世帯の割合が高く、その大部分を単身者世帯が占めていることが分かります。 そこで、お尋ねします。 本県における高齢者の貧困についてどのような現状認識を持っておられるでしょうか。また、2019年に金融庁が公表した金融審議会による市場ワーキンググループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」によって、いわゆる「老後資金2,000万円問題」が話題になりました。これは、一般的な日本人において老後資金2,000万円が不足すると試算されたのですが、個々の資産状況や消費生活、家族構成、健康状態によって大きく変わってくるため、一概に算定できませんが、年金のみによって生活の全てを賄うことが現実的ではないということを物語っています。また、このコロナ禍によって、さらにその厳しさが増してきているのではないかと思われます。アフターコロナ、ポストコロナを見据えた未来戦略とともに、貧困に苦しむ高齢者を支える仕組みづくりが急務になってきていると思いますが、併せて保健福祉部長にお尋ねします。 次に、目の前に迫る2025年問題についてお尋ねします。 2025年とは、皆様御存じのとおり、いわゆる「団塊世代」600万人の方全員が75歳以上の後期高齢者となり、そのことで生じる様々な影響のことを2025年問題と言っています。超高齢化が進んだ2025年の社会は、厚生労働省などのデータによると、認知症高齢者数は約700万人と、今後、急速な増加が見込まれる。高齢者世帯数は、約2,100万世帯となる。約7割が独り暮らしか、高齢者夫婦のみの世帯で、そのうち約750万世帯、約36%が独り暮らしである。年間死亡者数は約150万人になり、そのうち65歳以上が約140万人である。首都圏をはじめとする都市部の高齢者の住まいの問題など、従来と異なる問題などが顕在化すると想定されています。また、2025年問題で、企業にも事業承継問題、人材不足など、大きな影響を与えると言われています。事業承継問題では、2025年までに累計で約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる可能性があると言われています。 そこで、これらの事象を捉えて、今後、2025年問題における本県で想定される問題、課題をどのように認識し、どう対応されていこうと考えているのか、知事にお尋ねします。 また、コロナ禍や物価高騰などの影響などで企業の事業環境は大きく変化しています。今後、大手企業も含め、多くの企業でリストラも予想され、離職、失業を余儀なくされる方が増えてくるのかもしれません。また、核家族化の急速な進展や生涯未婚の方などの増加により、生まれ住み慣れた地域からサービスや利便性のよい都市部、中心部へと、今後、高齢者を含め、移動が考えられ、とりわけ公的年金暮らしの半数に近い方が月10万円以下ということを考えると、有料高齢者施設や介護施設へ多くの方が入居できないことが予想されます。そういった方々が入居できる施設や住居の整備など、受入態勢を整えておくことが急務だと感じていますが、保健福祉部長にお尋ねします。 また、介護疲れで起きる事件も、今後、増えていくことが予想されます。「未必の故意」という言葉があります。松本清張の小説のような完全犯罪をもくろんだ事件のことではなく、これからの超高齢社会において、人と人とのつながりが希薄になり、行政も含めてそのような状態の人たちを無視したり、見なかったことにしたりして、また、家族が介護放棄したことによって、明確に殺す意思がなくてもそのまま放置すれば死に至るケースが増えてくるのではないでしょうか。今後、高齢者世帯の増加に伴い、病気や介護などが原因で起こる悲惨な事件が起こらないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。また、減少傾向にあった自殺者の数は、このコロナ禍に入って男性の減少が続く一方、女性は増えているそうです。その原因には、いろいろなことがあるようですが、その一つに、「介護、看病疲れ」があるそうです。コロナ禍で学校が休校になったり、医療や福祉のサービスが受けにくくなったりして、家族の世話や介護などを女性が負担することが、自殺の増加につながった可能性が考えられるとの研究報告もあります。そうした介護疲れから深刻な社会問題が引き起こされないようにするために、介護者への支援体制の整備が求められていると思いますが、保健福祉部長にお尋ねします。 次に、多死社会における現状と課題についてお尋ねします。 日本社会は、2008年に人口のピークを迎え、年々平均寿命も延び、「人生100年時代の到来」と言われ、特に75歳以上の高齢者が増加し、緩やかな人口減少社会に突入しました。しかし、これからは、高齢化の進展とともに、死亡者数も増加していくことが予想されています。2000年には約96万人だった死亡者数は、2021年には約144万人と増え、2025年には約150万人と予測され、四半世紀で約60万人近く増え、17年後の2040年頃には、最大の死亡者数となると推計されています。今後、核家族化の進展、独り暮らしの世帯の増加と貧困化や、医療・介護の人材不足の深刻化などにより、手厚い医療・介護の提供やみとりがより困難になり、関連施設の不足が予想されています。自らの老後を自らで選べる、そしてついの住みかを見つけ出せる。この問題は極めて個人の尊厳に関わるテーマであり、幸せな最後を選択するのは、あくまでも個人であります。価値観の多様化が尊重されるべき問題であり、現場だけで解決できる問題ではないような気がします。高齢者個人の尊厳を尊重できる社会にしていくことが、行政と政治の役割ではないでしょうか。多死社会について、本県における現状の認識と今後の取組について、保健福祉部長にお尋ねします。 また、コロナ禍のもたらした影響の一つとして、長寿化・核家族化の進行の中で、家族葬、無縁化などで、死が昔ほど身近ではなくなり、死に遭遇する機会が減ってきているのではないでしょうか。「老後と介護」や「死と生」など、死をタブー視せず、教育現場でその成長の段階ごとに、自分事として捉え、自分の頭で考えていくことができるようにしていく取組が重要ではないかと思いますが、教育長のお考えをお尋ねします。 次に、超高齢化社会、多死社会における孤独死と不自然死についてお尋ねします。 2020年に、日本で死亡した人の数は138万人を超え、その中で病院以外で死亡するようなケースは17万人ほどだそうです。その中には、孤独死や路上での死なども含まれ、高齢化と無縁化が進む日本でその数が増えているそうです。また、日本では、病院での診療の過程で病気などで死亡する場合は、普通死として扱われ、死亡診断書が医師の手によって書かれます。一方で、病院以外で死亡する場合は、異状死と分類され、警察が扱うことになっています。病院に運ばれてすぐ死亡した場合なども含まれます。その死には、犯罪性のある御遺体も含まれていることも多いと思いますが、こういった場合、どのような仕組みで死因が究明され、事件性の疑いが判断されていくのでしょうか、警察本部長にお尋ねします。 また、異状死体や変死体の司法解剖などを行っているのは、大学の教授をはじめとする法医学者ですが、死因を突き止める医師は、現在、日本にどのぐらいおられ、医師不足などの問題、課題はあるのでしょうか、保健福祉部長にお尋ねします。 また、本県での司法解剖についてお聞きします。 検査等による司法解剖は、1体当たり平均幾ら経費がかかるのでしょうか。また、それに係る予算を年間どれぐらい確保されているのでしょうか。予算が尽きた時点で検体がされなくなる、翌年度に回るといったことはないのでしょうか、併せて警察本部長にお尋ねします。 また、グローバル社会の進展、IT技術進歩とともに、犯罪も巧妙化しています。遺体の状況から、事件性があるかどうかを判断する検視官の役割が重要と考えますが、犯罪死を見逃さないために、岡山県警において薬毒物検査などの鑑識等の装備品や設備、人材育成はどのようになっているのでしょうか、警察本部長にお尋ねします。 これまで述べてきたように、日本は超高齢化社会を迎えています。独り暮らしの高齢者もこれから増加の一途で、孤独死も増えているのが実情です。 内閣府の「高齢社会白書」によれば、60歳以上で独り暮らしをしている人の実に45.4%もの人が、孤独死を身近に感じていると答えています。孤独死の死因の特徴として、循環器疾患、心筋梗塞や狭心症などの急性虚血性心疾患、くも膜下出血で亡くなっている方が多いそうです。また、近年では、同居孤独死、同居者がいるのにもかかわらず孤独死が報告されているケースがあると聞いています。高齢化が進むことによって、高齢者のみの世帯が増加したり、認知症や寝たきりなどで自宅で介護されているケースも増え、また、ひきこもりや未婚の子供と同居している高齢者世帯で同居孤独死が起きやすいとのことです。 また、「8050問題」と呼ばれる問題も、近年、顕在化してきており、これは80歳代の親とひきこもりなどの問題を抱えた50歳代の子供の二人暮らしの世帯という意味で、未婚で親と同居している40から50代の数は、1995年の112万人から2010年には263万人、2015年には341万人と増え続けているそうです。孤独死は、死亡から発見まで日数を要することが多く、死後時間がたっているケースも少なくないことから、孤独死が増えれば事件性の疑いの判断が難しい場合も増えてくると思われます。事件性を判断するのに重要なのは、最新の検査機器や設備、そして人材です。刑事ドラマなどでは、科捜研の鋭い分析や刑事の勘が事件の解決につながっている場面も見受けられますが、実際はどうなのでしょうか。機器や設備の更新には、多額の予算が必要です。人材の育成には、時間がかかります。今後の超高齢化社会、多死社会において、予算がないから、人材が足りないからといった理由で見逃される犯罪があってはならないと思いますが、犯罪死を見逃さない決意を改めて警察本部長にお尋ねします。 最後に、グローバル人材の育成についてお尋ねします。 今議会の我が党の代表質問で、木口議員が、グローバル人材の育成について、チャレンジ精神や異文化を理解する精神を有し、国内外の様々な分野で主体的に活躍できる人材育成が求められており、ポストコロナを見据え、高校生へ海外にも目を向けさせ、留学や進学を促進するための取組について、教育長に質問されています。教育長からは、「海外留学への経費の一部補助、また、留学コーディネーターの設置、また、グローバルリーダー育成のための拠点校を指定し、海外大学へ進学促進を図る体制づくりなどの研究に取り組んでいるところだ」との御答弁がございました。 私のほうからは、グローバル人材の育成について、海外居住や海外で活躍している人材の岡山県への取組と活用といった視点でお尋ねします。 日本は、GDPの数字だけで見ると、2010年には、中国に追い抜かれて以降、アメリカ、中国に次いで第3位です。しかし、平均年収というポイントから見ると、OECD調査によると、2020年は世界ランキングで22位、アジア諸国でも韓国に抜かれています。20年間ほぼ横ばいの年収だった日本に対して、世界の先進諸国では、平均年収が大幅にアップし、アメリカに至っては25%もの上昇率です。このところの急激な円安進行の影響から、日本の物価は上がり続け、給与が上がらない日本においては、国民の貧困が深刻化しています。この問題を解決するためにも、マーケットを国内からグローバルに広げていく必要があり、それを成功させるためのキーワードは、「グローバル人材」ということになります。 グローバル人材とは、ただ単に外国語が使えるだけでなく、その国ならではの国民性や風習、考え方、価値観を理解し、多様性に対する柔軟性が求められると考えます。また、グローバル人材の育成は、数年でできるものではなく、初等教育、中等教育、高等教育の現場で、時間をかけて育成されるものと考えます。学校制度の中におけるグローバル人材育成や、それを指導する教員の育成も重要課題です。そして、グローバル人材育成にとって最も重要なことは、座学だけではなく、実際に海外で生活し、多様性のある環境の中で仕事をしていた人たちの経験の共有が大事なのではないかと考えます。 まず初めに、岡山県が考えるグローバル人材とはどのような人物像を考えているのか。そのペルソナをお聞かせください。そして、その目指す人物像に向け、学校教育時期にどういったグローバル人材育成に取り組んでいるのでしょうか、併せて教育長にお尋ねします。 そして、私が今回のグローバル人材の育成で最も聞きたいことは、これまでグローバル人材として海外で活躍している人たちの経験を共有するための仕組みをつくってはどうかという提案です。 グローバル人材として世界で活躍するためには、異国の環境や言語の違いに対して理解を示せることや、相手との違いがあっても円滑なコミュニケーションが取れることが大事になってきます。このような人材を育成するためには、岡山県を、生活や仕事の場だけにするという環境の中では、その育成は困難であると推測されます。岡山県の企業のグローバルマーケットの開拓のため、海外の展示会への出展支援や海外視察の企画や推進活動をされていると思いますが、岡山県出身の既に海外を生活や仕事の場にしている人材とのつながりをつくり、そのネットワーク化をすることはその早道ではないかと考えます。海外でもう既に活躍されている経営者や慈善活動家などの多くは、宗教や文化、風習、価値観の相違など、数々の試練や困難を乗り越え、生き馬の目を抜くがごとくのグローバル社会で生き残っています。海外では、いまだに戦争、紛争が絶えません。そのようなフィールドでは、これまで一般に日本の教育現場で行われてきた「大人に従順な生徒を育てる」とか、「大学の合格実績や全国模試の成績にこだわる」といった従来の枠の中での教育の延長線上に、アマゾンのジェフ・ベゾスとか、アップルのスティーブ・ジョブズとかは、生まれてこないような気がします。 学校では、常に正解が求められますが、社会に一歩出れば、正解は1つではないことに気づくかもしれません。特にグローバルに展開する海外では、日本で学んだルールやシステムが通用しないことにびっくりするかもしれません。変化の激しい不確実性の高い社会において、絶対はありません。そういった環境に耐えうることのできるグローバルな人材は、地頭のよさや学歴偏重主義、「アカデミックスマート」からは生まれてきません。まず、自分の頭で考え、これまでの常識を疑ってみること、そして困難な状況でも成功するために必要なスキルと知性、あるいは異なる環境で生き残るために必要な鋭い臨機応変さを持つ「ストリートスマート」が、ますます重要になってきているのだと思います。それには、もう既に海外で数多くの経験、キャリアを積んできている方々との交流、その中でも海外で生まれて海外で育った方とのネットワークの構築と地元金融機関や商社など、最先端の情報やグローバルを視野に持った方々を巻き込んだ互助会みたいな組織づくりが、ポストコロナにおけるグローバル社会での生き残りにつながっていくのではないでしょうか。それには、日本人としてのアイデンティティーの確立とすばらしい日本文化に対する自信と誇りが必要なのは、言うまでもありません。異国の地で現地の人々と交流することも重要ですが、海外で生まれ、育った日本人の血が流れている人たちと交流することで、お互いが日本のよさを確認でき、日本人としてのアイデンティティーと文化に対する誇りを持ったグローバルリーダーになっていけるのだと思います。 このように、グローバルネットワークづくりは重要だと考えますが、真のグローバル人材の育成について、知事のお考えをお尋ねします。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の大森議員の質問にお答えいたします。 まず、2025年問題についての御質問であります。 認識等についてでありますが、お話のとおり、本県においても、今後、認知症高齢者や高齢者のみの世帯の増加等が想定されているところであり、市町村や関係団体等と連携しながら、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築を進めることにより、高齢者が可能な限り、住み慣れた地域で、その有する能力に応じて自立した生活を営むことができるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。 また、県内中小企業の60歳以上の経営者の後継者不在率は約4割と、多くの企業で事業承継が喫緊の課題であり、後継者育成やM&Aの促進を図るとともに、人材育成や人手不足に対応した生産性の向上など、地域経済が持続的に発展するよう、適切な支援に努めてまいりたいと存じます。 次に、グローバル人材の育成についての御質問であります。 グローバルネットワークづくりについてでありますが、グローバル人材とは、日本人としてのアイデンティティーを前提として、コミュニケーション能力を有し、異文化理解の精神等を身につけて様々な分野で活躍できる人材であると考えております。県では、こうした人材の育成に向けて、これまで、海外で活躍する方々による講演会や留学促進フェア、国際交流員による国際理解講座などを実施してきたところであります。引き続き、国内外の県人会や県内企業の海外赴任者など、本県ゆかりの方々とのつながりも活用しながら、グローバル人材の育成に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  保健福祉部長徳本史郎君。   〔 保健福祉部長 徳本史郎君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(徳本史郎君)  お答えいたします。 まず、高齢者の貧困についての御質問でありますが、本県の今年9月の被保護者世帯に占める高齢者世帯の割合は52.4%、単身高齢者世帯の割合は48.4%となっており、貧困は高齢期における課題の一つで、単身者が多くを占めていると認識しているところであります。県では、経済的に困窮している高齢者に対し、福祉事務所・生活困窮者自立相談支援機関等において相談対応を行い、個別の事情に応じてきめ細かな支援に努めているところでありますが、貧困に苦しむ高齢者を支える基本的な枠組みについては、国において、年金制度を含めた社会保障制度として、将来を見据え、議論されるべきものと考えております。 次に、2025年問題についての御質問であります。 受入態勢の整備についてでありますが、今後、高齢者のみの世帯の増加が見込まれ、住み慣れた地域で安心して暮らせる態勢整備を図ることは重要と考えております。このため、県では、県高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画に基づき、地域の実情に応じて市町村等と連携しながら、介護施設の整備等を図るとともに、公的賃貸住宅の確保に努めているところであります。 次に、介護者への支援についてでありますが、介護者には、心身ともに大きな負担がかかっており、こうした負担を軽減するための支援体制の整備は重要なことと考えております。このため、市町村の地域包括支援センター等において、個別の事情に応じて、相談対応等を行っているほか、県においては、ショートステイやデイサービスなどのレスパイト機能の確保を図っているところであります。今後とも、市町村や関係団体等と連携し、地域での支え合いの強化等に取り組むなど、介護者の支援体制の整備を図ってまいりたいと存じます。 次に、多死社会についての御質問であります。 現状認識等についてでありますが、今後、本県においても高齢化の進展に伴い、死亡数が徐々に増加すると予測され、県民が住み慣れた地域で最期まで自分らしく生きる環境を整備することは、重要と考えております。このため、医療、介護、予防、住まい及び生活支援を一体的に確保する地域包括ケアシステムの構築や、日頃から人生の最終段階で受けたい医療やケア等を、本人や家族、医療関係者等と共有するアドバンス・ケア・プランニングの普及などを進めており、引き続き、到来する多死社会に的確に対応できるよう取り組んでまいりたいと存じます。 次に、孤独死等についての御質問であります。 法医学者の人数等についてでありますが、国の資料では、令和3年5月現在の全国の法医解剖実施機関等の常勤法医の数は165名、県内は2名となっております。国の死因究明等推進計画では、法医学教室の人材不足が顕著に見受けられ、人材確保の必要があるとされており、県内においても同様の課題があるとのお話を関係者から伺っているところであります。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 まず、多死社会についてのうち、教育現場での取組についてでありますが、近年、核家族化が進むとともに、コロナ禍により、葬儀等の在り方も変化していることから、人の死に直接接する機会が少なくなっており、これまで以上に学校教育において生命の貴さについて学ぶことが必要になっていると考えております。そのため、道徳科を中心に様々な教科と関連づけながら、教育活動全体を通じ、児童生徒が発達段階に応じて生命のつながりやかけがえのなさなどについて学ぶとともに、広島や長崎等での平和学習においても、語り部のお話を聞くことなどにより、生や死について具体の事象を通して学んでいるところであります。今後も、知識として死を捉えるにとどまらず、自己との関わりの中で生きることのすばらしさや生命の貴さについて考えを深められるよう、指導の充実に一層努めてまいりたいと存じます。 次に、グローバル人材の育成についてのうち、人物像等についてでありますが、グローバル人材の人物像とは、自らの郷土や国の伝統・文化を大切にする心を持ち、豊かな語学力・コミュニケーション能力や異文化を理解し、多様性を尊重する精神等を有するとともに、膨大な情報から自ら問いを立ててその解決を目指し、他者と協働しながら新たな価値や行動を生み出すことのできる人であると考えております。 県教委では、こうした人材の育成に向けて、授業での英語の使用機会の充実など、英語指導の強化等による児童生徒の英語力の向上、留学コーディネーターの設置や留学経費の一部補助等による海外留学や国際交流の促進、地域の優れた学習資源や人材を活用した我が国や郷土の伝統・文化を理解する教育の推進、大学や産業界等と連携した国内外の多様な人々との協働による課題発見・解決能力の育成などに取り組んでいるところであります。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  警察本部長檜垣重臣君。   〔 警察本部長 檜垣重臣君 登壇 〕 ◎警察本部長(檜垣重臣君)  お答えいたします。 孤独死等についてのうち、まずは死因究明等の仕組みについてあります。 警察においては、死体を発見し、または、死体を発見した旨の届出を受けた場合、警察署の刑事課員に加え、ほとんどの場合、警察における死体取扱業務の専門家である本部捜査第一課の検視官も死体の発見現場等に臨場して、対応しております。臨場した検視官を中心として、医師の立会い等も求め、その医学的な知見等も踏まえつつ、綿密な死体観察、関係者からの聴取等の周辺捜査、薬毒物検査の実施のほか、必要に応じて死亡時画像診断等の活用や司法解剖等を行うなどし、犯罪性の有無を判断しております。 次に、司法解剖についてであります。 令和3年度における司法解剖経費につきましては、1体当たり平均約28万円であります。また、司法解剖に係る予算につきましては、全て国費であり、警察庁において必要な予算を確保されております。司法解剖は、犯罪捜査の一環として行うものであり、先延ばしにするようなことはございません。 次に、検視官の人材育成等についてであります。 県警察におきましては、犯罪死見逃し防止の取組として、現場で使用する簡易薬毒物検査キットや、科学捜査研究所に高感度の分析機器等を整備しております。また、人材育成についてでありますが、検視官には経験豊富な捜査幹部を充て、その任用の前後におおむね2か月間、警察大学校において、大学法医学教室の教授等による法医学、解剖生理学等の講義や大学法医学教室における解剖実習等の研修を受けさせております。警察署の捜査員に対しても、警察学校で行われる研修等において、法医学者による講義や実習等を通じて、法医学の専門的知識を習得させているなど、教育訓練の充実を図っているところであります。 次に、犯罪死を見逃さない決意についてであります。 県警察といたしましては、今後も、死体取扱業務に従事する警察官の人材育成や必要な装備資機材の確保に努めるとともに、綿密な死体及び現場観察、適切な周辺捜査を徹底し、薬毒物検査や死亡時画像診断、司法解剖等を的確に実施することにより、犯罪死を見逃すことがないように努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(太田正孝君)  10番。   〔 10番 大森一生君 登壇 〕 ◆10番(大森一生君)  それぞれ御答弁ありがとうございました。 引き続き、県民の安心・安全、犯罪のない、誰もが住んでよかったなという「生き活き岡山」の実現に向け、よろしくお願いいたします。 そこで、グローバルネットワークづくりについて、知事に再質問させていただきます。 人口減少、経済の低迷とともに、国内のマーケットが縮小し、今後の経済発展のためには、グローバルマーケットへの進出が不可欠になってきています。知事も、トップセールスとして様々な機会をつくり、海外にも積極的に出向いていらっしゃいますが、この課題は、岡山県民が総力を挙げて取り組むべき課題だと考えています。県全体として、グローバルマーケットへアプローチする手段の一つとして、グローバルチャンネルを持っている人も持っていない人も共通でアクセスできる、岡山県にルーツを持つグローバル人材ネットワーク、互助会のようなものの早期実現が、県の持続発展と経済の活性化、とりわけ世界にも類いまれな日本人のアイデンティティー、精神性をもっともっと世界に広めることにも有効な手段に成り得ると思いますし、また、海外で活躍している女性にももっと目を向けるべきで、議員や職員の皆様、海外の視察も含めて、グローバルに展開していくことが必要ではないかと思いますが、改めて知事のお考えをお聞かせください。 ○副議長(太田正孝君)  答弁を求めます。 知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  日本は、今、停滞しているわけであって、もっともっと積極的に海外に打って出るべきではないかと、そのときに、当然ながら言葉、習慣、考え方がいろいろ違うわけですから、それを分かる努力をするべきだし、少しでも分かっている人の協力を仰ぐべきではないかということであります。全くそのとおりだと思っています。 もともと戦後、日本もこてんぱんになったところから、何とか生き残っていかなければいけないということで、がむしゃらに経済の立て直し、もしくは輸出、輸出ができなければ輸入する外貨がない、輸入ができなければ、原油、食料も輸入できない、もう我々生きていくことができないというぐらいの気迫で頑張ってきたわけであります。ちょっとバブルの頃あたりから、油断があったのではないかということを思っています。 それと比べると、例えば、韓国が非常に、20年ほど頑張っているわけですけれども、韓国の場合、人口の問題等もありまして自国マーケットがあまり大きくないので、もうとにかく外に打って出るしかないと。よく財閥に採用された社員は、国を指定されて、そこで生活してこいと。そこの販売の責任者の一人として、そこで頑張るしかないという環境に置かれる。有無を言わさず、放り込まれるような形になりますし、そういったことを見越して、大学ももう外国に飛び込んでいって、その大学を卒業するという比率が、日本よりも随分高いということがございます。 我々、今さら、20年前に時を戻してやり直すわけにはいきませんので、議員がおっしゃるとおり、今ある資源をいかに生かしていくか、大事なことだと思っています。私自身、ブリティッシュ・カウンシルは、非常に日本にとって、岡山県にとっても有用な資産だと思っておりまして、できるだけ出席して、知り合いをつくる努力をいたしておりますし、議員も大変優秀な方、海外で活躍をされた女性とお知り合いだということをブログで拝見させていただいております。ちゃんと探せばそういった方々はいらっしゃるわけで、そういった方々にいろいろ助言いただく、協力いただくということは大事だと思っております。よろしくお願いいたします。 ○副議長(太田正孝君)  以上で大森君の質問は終了いたしました。 この際、午後1時20分まで休憩いたします。        午後0時19分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時20分再開 ○議長(加藤浩久君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 50番内山登君。   〔 50番 内山 登君 登壇 〕 ◆50番(内山登君)  皆さん、こんにちは。 自由民主党の内山登でございます。 久々の登壇でございます。トリを務めさせていただき、光栄に存じております。 今日は、私の選挙区の隣、赤穂市では特別な日です。12月14日赤穂浪士の討入りの日でございます。今、義士祭が盛大に行われております。それはそれとしまして、質問に入ります。 今日は、知事と岡山県の中長期の展望について議論したいと考えております。眼前の様々な事象や課題に拘束されず、中長期の視野で伸びやかな知事の思いをお聞きしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。 まずは、失われた30年についてであります。 この30年の間、日本経済はバブル崩壊を受けて、GDPは500兆円台で推移し、残念ながら停滞した状況が続いています。少子高齢化が進み、人口が減少。潜在成長率も低迷を続けています。この間に、我が国は、世界第2位の経済大国の地位を中国に譲り渡してしまいました。アメリカの株価指数「S&P500」は過去30年でざっと9倍に成長しましたが、日本は、1989年の3万8,915円の最高値を30年間も超えることはありませんでした。かつて、富岡製糸場を造ることにより、繊維産業を興し、八幡製鉄所から鉄鋼業を、そして造船・電気・自動車と、すばらしい産業群を育成し、世界一、もしくはそれに迫るところまでそれぞれを成長させることに成功、世界中から我が国に富が集まりました。 ところが、この30年でインターネット産業とも言うべきGAFAが、アメリカにおいては急成長、4社の売上げだけで我が国の国家予算の3分の1の規模にまで成長しました。我が国の30年とは、大違いの状況でありました。ただ、国も手をこまねいているわけではありませんでした。各政権は、努力を重ねてまいりましたが、現実は厳しいものがあります。岡山県もこの状況に対し、県としての方策を展開すべき時期を迎えていると考えます。 そこでまず、この失われた30年に対する知事の評価をお伺いいたします。特に、どうしてこうなったのか。社長としての経験も踏まえ、知事の見解をお伺いいたします。 次は、島津斉彬についてであります。 「温故知新」という言葉があります。「古きをたずねて新しきを知る」、私の好きな江戸幕末、この時期に活躍した薩摩藩の藩主島津斉彬は、後の明治の元勲西郷隆盛や大久保利通を育てたことでも有名ですが、薩摩藩を雄藩たらしめる大改革も行っています。幕末から明治維新に至る大変革のとき、77万石の藩主が何をどうしたのか。このことは、学ぶに価値あることと考えます。 「島津にばか殿なし」と言われるように、社稷700年の間、それぞれ名君ぞろいであったと言われますが、その中でも斉彬は傑出した開明的な藩主だったと言われています。この島津家77万石の28代目藩主になったのは、嘉永4年、斉彬43歳のときでありました。ペリーの黒船来航の2年前ということになります。斉彬は、水を得た魚のように、藩政の改革、人事の刷新を進めました。江戸にあっては、阿部老中をはじめ、徳川斉昭、越前の松平春嶽、土佐の山内容堂などと交際を始め、有力大名の連合によってペリー来航以来の危機を乗り越えようとしていました。 特筆すべきは、集成館を建設したことです。これは、西洋式工業の工場化とも言うべきもので、鋼鉄の鋳造、鉄砲の鋳造、農具、刀剣の製造、陶磁器やガラス等々を作り出し、大反射炉も造っています。掛の役人には、優れた藩士を充て、職工等は1日に1,000人になることもあったと言います。後に、西郷隆盛から、「オランダかぶれ」とやゆされているとの諫言をされた際、「日本の形勢は、ペリーの来航以来累卵の危うきものがあって、軍備が第一の急務であるが、その軍備のために国中疲弊し、非常の事あるに当たって金穀の不足を来しては必勝の見込みが立たぬゆえ、一方には軍備を全うし、一方には理財の道を講じねばならぬ。集成館を興したる目的も、実にその理財のためであるから、心得違いのなきようにいたせ」と言っています。 数年前、私自身もこの世界文化遺産の旧集成館を訪問しましたけれど、明治維新の前にこれを造っていたことには驚愕しました。岡山県においても、この薩摩と同様、新たな理財の道が求められていると考えています。英明な知事は、就任10年を迎えられ、企業誘致等は大きく成果を出しておられますが、この新たな理財獲得へ向け、新たな展開にチャレンジしていただきたいのであります。国が失われた30年で呻吟している間に、岡山で新たな成功事例をつくり上げる努力をしてはいかがかと考えます。今こそ、岡山から日本を変えるとの気概が必要ではないでしょうか。知事の斉彬の生き方や集成館に対する評価をお伺いすると同時に、それを受けての知事の思いをお聞かせください。 次は、岡山県の工業出荷額の構造改革についてであります。 岡山県における最近の工業出荷額は、平成26年が8兆2,600億円、令和元年が7兆7,000億円、1人当たりの県民所得は、平成26年が257万円、令和元年が279万4,000円という状況です。そして、大きく県の情勢を捉えると、県全体が約8兆円の富を生み出し、このうち水島コンビナートを中心とした倉敷市は、4兆円を生み出しています。岡山県の富の半分を、倉敷市が生み出しているということになります。 水島コンビナートは、御承知のとおり、三木知事時代に大変な御苦労の末に築かれたものと伺っております。これにより、それまでの農業県岡山が工業県岡山にシフトすることに成功しました。水島コンビナートは、いわゆる重厚長大産業が集積してつくり上げられています。JFEや三菱自動車は、まさに中心的存在です。これらの製品は、水島港から世界へ運ばれ、岡山に大きな富をもたらしています。トン幾らのビジネスの成功です。 一方、長野知事は、岡山空港の滑走路を3,000メートルまで延伸し、国管理の二種空港である広島空港と同規模の滑走路を、三種空港である岡山空港に整備するために多額の県費を投入する方針を打ち出されました。この頃、長野知事は、瀬戸大橋や高速交通網の整備と相まって、「岡山県を中国地方の雄県にする」とよく発言されました。この滑走路が完成したとき、私は、広域交通・物流対策特別委員会の委員長でしたので、平成13年10月、アメリカの西海岸までジャンボのチャーター機で多くの岡山県民の皆さんとともに飛んで行きました。この滑走路の強化により、国際線はアメリカ西海岸までは行けるということになりました。一方で、話が出ていたのが、「グラム幾らのビジネスを展開する」というものでありました。水島港を用いた重厚長大産業のトン幾らのビジネスに対し、軽薄短小、そして付加価値の高い製品を生み出し、これを岡山桃太郎空港から世界へ運び、新たな富を生み出そうとする試みです。このエアカーゴの展開を推進してはいかがかと考えます。 空港周辺地域で軽薄短小型の企業のクラスターをつくり上げ、空港と連携する。そして、新たな富の源泉を生み出す。これが成功すれば、岡山県は、水島と空港周辺にそれぞれエンジンを持つことができ、ツインエンジン体制に移行できます。このことは、検討の余地があるのではないかと考えます。この構想について、知事の御所見をお伺いいたします。 続いて、医療分野と関連産業の展開についてであります。 岡山大学医学部は、その歴史や実績において、中国地方随一の医学部であります。また、川崎医大附属病院、日赤病院、済生会病院、国立医療センター等々と、優秀で大型の病院が勢ぞろいであります。そして、県民10万人当たりの医師数も、岡山県は285.1人と、全国250.8人に比し、よい状態が保たれています。また、岡山県レベルの地方都市で医学部を持つ大学が2つあるというのは、恵まれています。このような情勢の中で、医療関連産業はまだまだ大きく発展できる要素があると考えます。 神戸市は、ポートアイランドに、「阪神・淡路大震災からの復興」を合い言葉に、医療産業都市を目指すとして、バイオメディカルクラスターをつくりつつあります。岡山県でも、かつては理化学研究所の誘致を目指していた時期がありました。空港の南の工業団地の中の一部を、理化学研究所の新出予定地としていた時期もあったと、私は記憶しています。また、岡山県出身の筑波大学教授の山海さんもおられます。サイバーダイン社の創業者でサイバニクス技術の権威の一人でもあります。教授が作られた「HAL」は、世界初の「装着するだけで人をサイボーグ化」することのできる装置です。かつて岡山のインキュベーションセンターに事務所があり、県は予算をつけて福祉施設に「HAL」を貸し出しする事業も行いました。私自身、装着してみました。こう動かそうと思うだけで、脳神経系の情報とこの「HAL」がつながっていて、動いていくというもので、びっくりいたしました。 この事例でも分かるとおり、岡山県では、医療産業系を志向していた時期もあります。保健福祉部と産業労働部が、医療系の大学や病院と連携してこの分野を開拓していく、21世紀中盤へ向けての一つの産業政策の方向ではないかと考えますが、知事の考え方をお伺いいたします。 次は、県庁の人材対策についてであります。 これまで、日本では、いわゆるメンバーシップ型と言われる年功序列、終身雇用をベースにした人事が行われてきました。しかし、最近は、時代の変化の中で、民間企業ではジョブ型と言われる人事制度が採用されるようになりつつあります。日立製作所、資生堂といった大手企業も、このジョブ型に移行しつつあります。世界からグローバル人材が集まらない企業は成長できないような趨勢にあり、イノベーションはGAFA等においては、世界から集まってきた優秀な人材によって興されているという現実があります。県庁においても、このジョブ型のメリットを検討すべき時期を迎えていると考えます。既に、岡山県では、ITの専門家とか、教育の分野でもスペシャリストを雇用している実績もあります。 そこで、これらの数を増大させると同時に、優秀な外国人にも門戸を開くべきではないでしょうか。つまり日本型のハイブリッドなジョブ型とも言うべき展開を検討する時期を迎えているのではないかと考えます。 カマスというどうもうな魚がいます。これをかなりの数水槽に入れると、最初は皆勝手に泳ぎ回ってがちゃがちゃの状態になり、ある一定の時間が過ぎると、カマスは皆そろって一定の方向で回遊するようになる。その中央に透明な仕切り板を入れる。すると、多くのカマスは頭をぶつけて、また、がちゃがちゃの状態になる。また、一定の時間が過ぎると、今度はその仕切り板の両サイドに2つのグループに分かれて安定した回遊する状態が生まれる。そこで、この透明な仕切り板を引き上げる。すると、カマスは2つのグループに分かれたまま、何事もなかったように安定した状態で泳ぎ続ける。そこへ外から持ってきたカマスを1匹投入する。水槽の中は、一気に活性化して全体でがちゃがちゃな状況になって泳ぎ回るようになる。この1匹がさきに申し上げたITやDXの専門家であったり、優れた外国人であります。集団は、いずれ同じ考え方に小さくまとまり、同じ方向にしか向かなくなるものです。集団を活性化させるためには、常に外部的刺激が必要です。まさに、鎖国を続けてきた幕末に黒船が現れたときのようにです。この仕組みを人事制度に大きく取り入れることにより、県の活性化、特に国際化も進むのではないかと考えますがいかがでしょうか、知事の見解をお伺いいたします。 次は、バックキャスティングについてであります。 岡山県は、様々な行政計画を有していますが、大半のものは、現在の状況をベースにしてボトムアップした形で目標設定がなされています。現在を起点にした思考法です。これに対し、未来から現在に逆算していく方法が「バックキャスティング手法」です。未来のあるべき姿から、未来を起点に解決策を見つける思考法です。今よく言われるSDGs、これの国連で定めた17の目標は、このバックキャスティング手法でつくられています。この手法は、到達すべき目標が設定されるため、それを実現するための方策を時間軸に配置することができます。よって、実施する順序も明確になってきます。この手法を県の計画にも少し導入することも、中長期では好ましいのではないかと考えますがいかがでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。 田中角栄氏は、御承知のとおり、新潟生まれであり、雪の話をよくされました。有名な三国峠演説が残っています。田中角栄27歳のときの演説です。一部紹介します。 「皆さん、三国峠をダイナマイトで吹っ飛ばすのであります。そうすると、日本海の季節風は太平洋側に吹き抜け、越後に雪は降らなくなる。皆さん、出てきた土砂は日本海に運んでいって埋立てに使えば、佐渡と新潟は陸続きになるのであります」こう言っています。 新潟県にとって三国山脈は、雪とともにとてつもない障害物だったことがよく分かります。この田中角栄氏の政治家としての目標設定は、スケールが大きいですが、バックキャスティングによってつくられています。後に、この三国峠には、融雪道路と上越新幹線が生まれてくることになります。政治家は、すべからく夢を描き、その実現へと邁進する生き物であります。現実の中にそれをどう落とし込んでいくかは、ここにおられる執行部の皆さんと協力してやっていく中で実現されると考えています。知事も政治家であります。政治家としての目標設定について、バックキャスティングの発想を大切にしていただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 いろいろ申し上げてまいりましたが、私の思いは、伊原木知事に政治家としての10年の実績を踏まえて、大胆な展開を期待しているということでございます。 長野知事は、思い切った政治を展開されました。いわゆる瀬戸大橋時代をつくり、高速交通網を整備し、空港や港湾を整備、広島県に負けない雄県岡山を目指されました。多くのお金もかかりました。そのことで大変な財政難に突入しましたが、次の石井知事は、ここで財政再建に励まれ、大なたを振るいながら、踏みとどまって、この岡山県を立ち直らせました。 そこで、10年前登場されたのが若き伊原木知事であります。ここは、伊原木知事がこれまで温めてこられた中で大きな政策展開を目指すべき時期であります。後世の県民の方々が、伊原木知事はこんな事業をされたんだと言われるようなことをなすべきときを迎えています。財政は、優秀な副知事以下の執行部がついていますので大丈夫です。知事が就任されたとき、私がこの議会の議長でした。あれから10年、実績を積み、貫禄や迫力も生まれてきました。知事の次なる一手を期待しています。知事の思いをお伺いいたします。 最後は、今年一年の総括です。 令和4年も余すところ半月になりました。本年もコロナに翻弄された一年でありました。ウクライナでの戦闘は続いており残念ですが、終盤にはサッカーワールドカップのサムライブルーが躍動しました。ベスト8は逃しましたが、晴れやかな感動が生まれ、列島を覆いました。勇気や情熱もすばらしかった。こうした中で新しい年を迎えます。知事から、県民の方々へ、力強く、心温まるメッセージを出していただきたく存じます。 質問は以上でございます。よろしくお願いします。ありがとうございました。 ○議長(加藤浩久君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の内山議員の質問にお答えいたします。 まず、失われた30年についての御質問でありますが、バブル経済崩壊後から現在に至るまで、長期にわたり日本経済の低迷・停滞が続いているものと認識しております。その原因については、生産性の伸び悩みのほか、イノベーションへの対応の遅れ、科学技術力の衰退、少子化・高齢化の進行、個人投資の停滞など、多くの識者によって諸説論じられておりますが、私としては、バブル期に行った投資が、社会環境等の変化により価値が大幅に減少し、その失敗のため、過剰負債をおそれ、投資水準が著しく落ち込み、日本経済の停滞につながったものと考えております。生産年齢人口が減少傾向にある中、経済を成長させていくためには、企業による投資の促進や労働生産性の向上、イノベーションの創出が重要であり、県としては、企業が行う投資への支援、付加価値額の増加につながる経営革新や技術開発等の支援、IoTなど新たな課題に対応できる人材の育成などに努めてまいりたいと存じます。 次に、島津斉彬についての御質問でありますが、幕末の動乱期に製鉄や紡績等の幅広い分野において、近代工業化を進めるとともに、教育改革に着手し、新時代を担う人材を育成するなど、様々な改革を実行し、多くの功績を残した人物であると承知しております。 また、お話の集成館には、私も1度訪れたことがありますが、製鉄や紡績にとどまらず、将来の外国との貿易を見据えて、藩のブランディング化の一環として、芸術性の高いガラス製品を製造するなど、他藩には例のない独自の取組も行われていたことも、類いまれな先見の明を持った斉彬公の功績のあかしであると認識しております。その藩主としての生き方は、私自身、学ぶ点が多くあると考えており、先々を見据え、将来の岡山のために、今、何をなすべきかという視点を持って、戦略的な企業誘致の推進や中小企業等の稼ぐ力の強化、児童生徒の学ぶ力の育成など、未来に向けた投資を積極的に進めてまいりたいと存じます。 次に、工業出荷額の構造改革についての御質問でありますが、岡山桃太郎空港の国際航空貨物の利用については、コストや利便性などの課題があり、低調でありますが、利用促進に向けて、まずは半導体製造装置や電気機器など、付加価値の高い製品を輸出する企業の集積が必要であると考えております。このため、企業誘致をはじめ、大学との共同研究に向けたマッチングや専門家の派遣、研究開発費の助成等を通じて、技術開発支援に取り組むなど、空港周辺地域を含め、県内への企業集積を図っているところであり、その製品の輸出に当たっては、水島港に加え、岡山桃太郎空港の利用促進についても研究してまいりたいと存じます。 次に、医療産業の展開についての御質問でありますが、本県には、中四国の病院に影響力を持つ2つの大学医学部を有するなど、優位性はあるものの、県内において医療産業が集積するなどの成果には結びついていない状況にあります。そのため、県内大学や医療機器関連企業等と連携しながら、医療分野のニーズやシーズの県内企業へのマッチングに取り組むとともに、研究開発費の助成や大学への基礎研究委託、創業支援などを通じて、新製品・新技術開発の支援を進めているところであり、帝人ナカシマメディカルの人工関節やダイヤ工業のパワーアシストウエアの開発につながるなど、県内企業の医療分野での成果が現れてきております。引き続き、こうした取組を通じて、医療産業の振興に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、県庁の人材対策についての御質問でありますが、社会が急激に変化する中、様々な課題に的確に対応できるよう、組織の総合力を高めていくためには、メンバーシップ型により、内部で育成されるゼネラリストだけでなく、外部での多様な経験で培われた柔軟な発想ができる人材や、特定分野の専門知識を有するスペシャリストも必要であると考えております。県では、これまでも、社会人経験者等を対象とした採用試験を実施し、多様な知識や発想を持つ人材を採用するとともに、データ分析の専門家や観光客の受入れなどで活躍が期待できる外国人等を、ジョブ型と同様に、職務を特定した上で採用しているところであります。多彩なバックグラウンドを持つ職員の刺激を受けながら、互いに切磋琢磨していくことが、お話の県の活性化や国際化につながっていくものと考えており、今後とも、様々な雇用形態のメリットを生かしながら、多様な人材の確保に努めてまいりたいと存じます。 次に、バックキャスティングについての御質問であります。 県計画への導入についてでありますが、実現したい未来をどのように達成するかというバックキャスティングの手法につきましては、中長期的な課題を解決する上で大変重要な考え方であると認識しております。第3次生き活きプランにおいては、将来の目指すべき岡山の姿を描く長期構想をお示しした上で、その実現に向けて重点的に取り組む戦略や施策を盛り込んだ行動計画を定めており、今年度見直しを行っている地球温暖化防止行動計画においても、こうした考え方を取り入れることとしております。今後とも、その目的や内容などに応じて、中長期的な視点も踏まえながら、計画策定に努めてまいりたいと存じます。 次に、政治家としての目標設定についてでありますが、このたびの御質問をいただき、私がどのような目標を持って知事を目指したのか、10年たった今はどうなのか振り返るよい機会になったと思っております。知事を志して間もない頃、ずっと考えていたことがございます。 我がふるさと岡山県は、温暖な気候風土や豊かな生活基盤など、恵まれた条件が整っているにもかかわらず、そこで生活する県民の皆様に、どこか元気がない、曇りのない明るい笑顔が見られないと言われるのはなぜなのか。様々な意見を伺い、考えた結果、私は政治家として、「全ての県民が明るい笑顔で暮らす岡山」、すなわち、「生き活き岡山」を目指すと決めたところでございます。このあるべき姿を見据え、「生き活き岡山」の実現を県政の基本目標に掲げ、アクションを起こし、改善を繰り返し、今もその歩みを続けております。こうした考え方は、お話のバックキャスティングの発想とも相通じるものがあると考えております。 議員が自由に考えを述べよとおっしゃっていただきましたので、この場を少しお借りしまして、これに続くことを少しお話しさせていただきたいと思っております。 私、岡山県民を笑顔にするということを10年間言ってまいりました。これは、これからも続けていくことでありますが、この数年間、この笑顔だけでなく、「言葉の響き」というものを随分気にするようになってきたところでございます。笑顔というのは、県民の満足度や幸福度に直結するもので、非常に大事なものであります。「言葉の響き」は岡山県の他県からの認知度や評価と関連していると、私は考えております。笑顔というのは、世界共通言語のようなところがあり、誰が見ても、あっうれしそうだな、悲しそうだなと分かるわけですが、言葉というのは、同じ言語の中でも地域によって個性があり、それがポジティブに取られたり、ネガティブに取られたり、いろいろなニュアンスを持って伝わるものです。 例えば、京都の言葉、人によってそれぞれなんでしょうが、非常に上品に聞こえることが多い。憧れる人が多い言葉であります。これは、その理由はということでいえば、もう1,000年以上にわたって日本の都であったという事実と切っても切り離せない関係にあろうかと思います。例えば、横浜の、語尾が「じゃん」になる言葉は、何かフレンドリーな、リラックスしたような印象を持って取る人が多いですが、これは、横浜港の開港から百数十年の間の横浜の経済的地位の向上、もしくは横浜からいろいろな文化人が出てきたことの反映なのかと、私は考えているところです。 ぜひ岡山の地位を向上させ、岡山のいい景色、いいニュースが全国に流れる、岡山から文化、芸術、スポーツなど、幅広い分野で活躍する人が増えることによって、我々がふだんしゃべっている「言葉の響き」までが、私は変わってくるということはあると思っています。大変大げさな話でいえば、200年ほど前のカリフォルニアの言葉を上品だと考える人は多分いなかったはずだと思いますが、西海岸の地位が向上するにつれて、今、我々がカリフォルニアのアクセントを聞いて、非常に心地よく聞こえる。実際、アメリカの標準的な英語は、中西部の英語だそうですが、ニュースではシカゴのアクセントが標準化とされていて、標準ではないんですけれども、非常に心地よく聞こえる。これは、ぜひ参考にしたいと思っております。高橋大輔選手、山本由伸選手、渋野日向子選手が活躍され、また、千鳥のお二人が岡山弁を使った漫才で人気を取ったり、藤井風さんが岡山弁を盛り込んだ歌でヒットを飛ばしたり、岡山弁を含めた岡山の「言葉の響き」がよく聞こえるようになるということがすばらしいことだと思います。また、岡山でロケがあった「カムカムエヴリバディ」や「とんび」のように、岡山の言葉がきれいな景色とともに全国の家庭に届けられると、より受け入れられやすくなってくると考えます。我々が話している「言葉の響き」、この表現自体、まだこなれておりませんが、私の中では、今、目標の一つになっているものでございます。 では次に、大きな政策展開についてでありますが、知事就任以来、岡山県の発展のために教育の再生と産業の振興を全ての分野における好循環の起点と位置づけ、様々な施策を推進してまいりました。特に、産業分野では、これまでに約7,600億円の新規投資と約7,000人の雇用創出が実現するなど、大きな成果が現れてきているところであります。こうした好循環の流れをより一層加速させ、民間投資や需要を喚起し、経済を活性化することにより、財源を確保しながら、カーボンニュートラルへの対応や人口減少問題など、地方を取り巻く課題に的確に対応していく必要があると考えております。今後とも、本県の持続的な発展に結びつく施策を積極的に進め、「可能性があり、誰もが夢を持って挑戦できる社会」になるよう、そして、今から20年後、30年後の県民から、「岡山はよくなった、岡山に住んでいてよかった」と評価していただけるよう、「生き活き岡山」の実現に向け、一層邁進してまいります。 最後に、県民へのメッセージについての御質問であります。 令和4年を振り返りますと、一昨年の国内初確認から変異を繰り返しながら猛威を振るう新型コロナとの闘いが、今年も続いた一年でありました。 夏の第7波では、過去最多の新規陽性者数を記録するなど、医療が逼迫する状況となったものの、初めて行動制限を伴わずに何とか波を乗り越えることができました。この間、コロナ前にはなかった様々な制約にもかかわらず、御理解と御協力をいただいている県民の皆様、そして多大なる御尽力をいただいている医療従事者の皆様に、改めて心より感謝申し上げます。 2月には、世界を震撼させたロシアによる一方的なウクライナ侵攻が始まりました。その影響が、原油や原材料などの輸入価格の上昇に波及し、物価高騰という形で私たちの暮らしや経済活動に大きな打撃を与えるとともに、我が国のエネルギー政策や安全保障政策の在り方など、多くの課題を顕在化させています。 今年後半になると、コロナ一色に覆われていた景色に変化が見え、徐々に明るい色を取り戻してきています。デスティネーションキャンペーンで県内観光地ににぎわいが戻り、3年ぶりのおかやまマラソンで感動と喜びが復活し、また、カタールで開催のサッカーワールドカップでは、日本代表の健闘に元気をもらい、一体となって応援する楽しい時間を共有できました。 コロナ関係でも、流行の主流であるオミクロン型に対応するワクチンの接種が始まるとともに、軽症者も対象となる国産の経口薬が初めて承認にされるなど、コロナと闘うための環境が整ってきています。 あと半月で新しい年を迎えます。現下のコロナ対策に万全を期すことはもとより、10年先、20年先を見据え、本県発展に好循環をもたらすエンジンと位置づける「教育の再生」と「産業の振興」に関する施策を重点的に展開するとともに、県民の皆様が健康で安心して過ごせる日常と、活力ある社会経済活動の両立に向け、引き続き、全力で取り組んでまいります。 最後に、県民の皆様がそれぞれの目標に向かって活力あふれる1年となるようお祈り申し上げまして、私からのメッセージとさせていただきます。 以上でございます。 ○議長(加藤浩久君)  50番。   〔 50番 内山 登君 登壇 〕 ◆50番(内山登君)  本当にありがとうございました。 お話があったように、コロナやウクライナ、物価高という大変な状況の中で、県民の方々は、これからどうなるんだろうと不安に思っている方も多いんだろうなと思っています。ですから、さっき知事がお話をされたような、これから岡山はこう行くんだよという、そういうのが県民によく伝わるような努力を、今後も、引き続きしていただけたらありがたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(加藤浩久君)  以上で内山君の質問は終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(加藤浩久君)  以上をもって一般質問を終結いたします。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △諸般の報告 ○議長(加藤浩久君)  この際、御報告いたします。 地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めました条例案に対する回答でありますが、本件はその写しをお手元に配付いたしておりますので、御覧願います。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第2 議第84号~議第96号及び議第98号~議第112号(委員会付託) ○議長(加藤浩久君)  これより議案の委員会付託を行います。 諸議案はお手元に配付の「議案付託表」のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第3 請願陳情委員会付託 ○議長(加藤浩久君)  次に、請願陳情の委員会付託を行います。 12月1日までに受理した請願17件及び陳情11件は、お手元に配付の「請願・陳情付託表」のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(加藤浩久君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △休会の件 ○議長(加藤浩久君)  お諮りいたします。委員会開催等のため、明日から12月20日まで6日間休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。   〔 「異議なし」と呼ぶ者あり 〕 ○議長(加藤浩久君)  御異議なしと認めます。よって、6日間休会とすることに決定いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △12月21日の議事日程 ○議長(加藤浩久君)  12月21日は、午前10時開議で、議事日程は当日配付いたします。   ~~~~~~~~~~~~~~~
    ○議長(加藤浩久君)  本日は、これをもって散会いたします。        午後2時4分散会〇 令和4年12月14日(水曜日)出席議員   1番 秋山 正浩君       2番 鳥井 良輔君       3番 佐古 一太君   4番 松島 幸一君       5番 本山 紘司君       6番 福田  司君   7番 清水  薫君       8番 大橋 和明君       9番 乙倉 賢一君  10番 大森 一生君      11番 小倉  博君      12番 田野 孝明君  13番 河野 慶治君      14番 渡辺 知典君      15番 福島 恭子君  16番 山本 雅彦君      18番 大塚  愛君      19番 高橋  徹君  20番 須増 伸子君      21番 氏平三穂子君      22番 吉田  徹君  24番 木口 京子君      25番 市村  仁君      26番 上田 勝義君  27番 小林 義明君      28番 中塚 周一君      29番 江本 公一君  30番 太田 正孝君      31番 池本 敏朗君      32番 小倉 弘行君  33番 加藤 浩久君      34番 遠藤 康洋君      35番 神宝 謙一君  36番 波多 洋治君      37番 柳田  哲君      38番 高原 俊彦君  39番 荒島 俊造君      40番 笹井 茂智君      41番 増川 英一君  42番 山田総一郎君      43番 蜂谷 弘美君      44番 住吉 良久君  46番 蓮岡 靖之君      47番 伊藤 文夫君      48番 小田 圭一君  49番 渡辺 英気君      50番 内山  登君      51番 小野 泰弘君  52番 河本  勉君      53番 小田 春人君      54番 天野  学君  55番 千田 博通君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~欠席議員  23番 中川 雅子君      45番 高橋 戒隆君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     高田 哲也           次長       下坂 泰幸  議事課長     安井 誠一           政務調査室長   村上 裕二  議事課長代理   門脇  学           議事課長補佐   難波 喜弘  議事課主幹    松川 一彦           議事課主任    中田 智也           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       伊原木隆太君          副知事      横田 有次君  副知事      小谷  敦君          公営企業管理者  片山 誠一君  危機管理監    根石 憲司君          総合政策局長   那須 信行君  知事室長     笠原 和男君          総務部長     須江 裕紀君  総務部次長    宮本 由佳君          県民生活部長   池永  亘君  環境文化部長   佐藤 将男君          保健福祉部長   徳本 史郎君  産業労働部長   三浦 智美君          農林水産部長   万代 洋士君  土木部長     筋野 晃司君          出納局長     森下  慎君教育委員会  教育長      鍵本 芳明君          教育次長     梅崎  聖君公安委員会  委員       内田 通子君          警察本部長    檜垣 重臣君  警務部長     牧  丈二君人事委員会  委員       武井 祐子君          事務局長     佐藤 昌之君監査委員  代表監査委員   浅間 義正君          事務局長     和仁 敏行君選挙管理委員会  委員       西  康宏君...